軽快なリズムが心の鼓動と共鳴する桜嵐記と Dream Chaser

珠城りょうサヨナラショー終演後の空 感想
終演後の爽やかな夕暮れ。

2021年6月21日月組公演「桜嵐記/Dream Chaser」珠城りょうサヨナラショー付き、の映画館でのライブビューイングを見ました。こんなにも美しく、テーマは重厚なのに、軽快なお芝居とショーがあったでしょうか?

わたしは、ショーの途中で中だるみして(少しだけ)退屈にならない、もしくは、歌が全く息苦しそうでないショーを初めて観ました。どの場面の3分くらいを切り取っても完璧なのに、それが、紡がれて一つのお芝居に、一つのショーになっている。眼福、耳福の極みとしか言いようがありませんでした。

桜嵐記の感想ネタバレなし

いつものように、極力、情報を遮断してから行きました。そうしたら、ハードディスクがお亡くなりになり、、見ずにためておいた初日映像などを見返すこともできない状況に。

それはさておき、そうして苦労して情報を遮断して行ったかいがあったというか、事前学習なしに理解できる組み立てになっていました。ワクワク感が募りました。物語の流れはスムーズだし、滑舌や、場面転換のテンポの良さなどにより、どこを切っても楽しめる舞台でした。

楠木正行(珠城りょう)の言う、個人ではなく国家の潮流に沿って自分の命を燃やし尽くすという理想も、理解できました。上田久美子先生作の過去作品では、必然性に疑問を感じる点がないとも言えなかったのですが、この作品は違います。

上田先生は、想像するに、感性がすごく豊かで、日本や大和魂の美しさみたいなものを、心の深いところで感じ、それを表現することができる演出家なのですねー。また、南北朝という過渡期の武士たちの、土臭い戦の様子を見てきたかのように描き出していると感じました。

戦いに赴く武士たちの高揚感が、絵巻物でなく、時代の鼓動が脈を打っているかのように桜嵐記全編に、流れています。だから、音楽がけっこう明るい調子でした。

ここぞ、というときにしか演者が歌わないのも良かったです。美園さくら嬢の凛とした美しさ、浮世離れした高貴さが役にぴったり。物語の流れで涙するというより、わたしの場合は、さくら嬢の声だけで泣けました。

同じように、楠木正儀(月城かなと)と後村上天皇(暁千星)が歌う場面を与えられているのも、効果的すぎるほど効果的。その間に観客も感傷に浸りながら、次の展開への期待を募らせることができます。

この作品での、MVPは、光月るう、夏月都、千海華蘭のお三方です。このお三方が舞台にいらっしゃるだけで、お互いの間の感情のやりとりが目に見えるようでした。前評判が漏れ聞こえてきた高師直(紫門ゆりや)も役として息づいていました。頑張ってあそこまやってのけた、とは感じられませんでしたよ。珠城りょう氏はじめ月組の面々はもちろん、全員MVPなので、キャスト別感想など、もはやわたしのなかでは無意味なことです。

美が溢れて飛び出してくるショー

座席が1つ空けての利用となっており、平日ということもあり映画館は閑散としていたので、実際に大劇場でご覧になった方々とは感じ方が違うかもしれません。

これもまた漏れ聞こえてしまった前評判通りでした。パーカッション多めで、ずしんずしん来る感じ、思わず体が動き出しそうな。。。珠城りょう氏、その温かい歌声や、クセのない歌い方、軽やかなダンス、すべてを余すことなく堪能できました。。どなたか、わたし、もしくはファンの方々の好みを全部聞き取りして入れこんでくださったの?という感じ。

振付がとんでもなく秀悦。ここ好き、ああいう動き好き、みたいな場面場面に目が見開いてしまうようなショーでした。それでもって、ムヒムヒ、ニマニマがずーーーっと止まらない!シンプルな黒燕尾の群舞も、振り自体は保守的でなかったです。攻めている!!踊っていて楽しいんじゃないかなー?と思わせる振りでした。

その流れでサヨナラショーに突入した感がありましたが、選曲が完璧でしたね。しっとりと聞きたい「♪花のうた」はしっとりと、「♪Roses at the Station」も悲しくなりすぎず、アーサー王伝説や All For One からの曲たちと珠さま&月組の組み合わせ。もはや王と家臣にしか見えない!

「All for One ~ダルタニアンと太陽王~」から「明日を信じて」が登場したのは驚きでした。隠れた名曲感があったので。明日を信じて今を生きていこう、というメッセージだったのでしょうか!

あとは、エリザベートのとある楽曲と、BADDYを含めることにより、ちなつさんこと鳳月杏氏がこの2つの作品に参加できたことが、何よりも胸アツです。日頃から珠さまのダンスが好きなのですが、特にエリザベートからこれを持ってきたということは、ご本人も踊ること好きなんでしょうね。

雪組から月城かなと氏が組み替えになり、花組から鳳月杏氏が舞い戻り、こんなに美しいものを見せていただけることになりました。その下には、暁千星、風間柚乃、春海ゆう、夢奈瑠音、蓮つかさ、佳城葵という面々がまだいてくださる。ありがたいことです。

この公演でご卒業されるみなさま、香咲蘭楓ゆき桜奈あい颯希有翔蒼真せれん夏風季々摩耶裕さま。この先どこかでお会いする機会はないかもしれません。この場を借りてお礼が言いたいです。(観劇後の変なテンションですみません💦💦💦)どの方も、月組を愛するファンの人生を一段、豊かなものにしてくださいました。

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観劇後の感動↓↓

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