2021年6月21日、宝塚大劇場公演千秋楽のこの日、終演後の舞台上で、数回涙がこらえきれなくなった珠城りょうさま。でも、ぐっとこらえたというより、無理やり引っ込めていました。泣いてはならない、という強固な意思が見えるような。。。
同じ愛知県出身で4期上の先輩、響れおな氏が2019年に、2番手だった美弥るりか氏と一緒にご卒業されたおりには、押さえが効かなくなった珠さまが見られました。今回も同期の香咲蘭嬢が、「みきの最初の公演と最後の公演を一緒にできて良かった」と、琴線に触れるコメントをされたため、それに対し熱いものがこみあげていたようでした。
当たり前かもしれませんが、初期の苦労が胸によみがえるような言葉を聞くとダメみたいです。
2019年に涙の押さえがゆるくなった珠さまは、自分のコメントを抑え気味にとどめることで感情にフタをしているという本音をちらりと漏らしました。実際、涙腺がゆるんだときの様子が普段とだいぶ違うので、この感情フタの仕組みは優等生スピーチと一対になっているのだな!と思ったのでした。
学年こそ一期下でしたが、ベテラン娘役の域に達していた愛希れいか嬢と5期上の先輩美弥るりかを見送ってからは、フタは外した状態の珠城りょうになるのかと思われましたが、そんなことはなく、サヨナラショーで体現した明るいお別れを保つかのように涙は封印。
珠城りょうというタカラジェンヌの本質は、この儚げな純朴さです。持ち前の根性で歌劇団史上2番目の若さでトップに就任して乗り切りました、だけならば、こんなに心を掴まれるはずはない!
珠さまの過去作の反応を何気なしに検索しているときに、珠城ホセに虜になったという方と雑談したというエピソードを載せているブログを読んだことあって、その受け止め方にびっくりしました。
詳細な表現は覚えていないのですが、その方は、「激情 —ホセとカルメン—」(2016年全国ツアー)以来のファンで、舞台上で珠城ホセが膝から崩れ落ちた(「母さん、許してください」からの「♪愛すること生きることどうしてこんなにせつないの♪」を歌うという流れ)視線上にいて、心を射抜かれてファンになったそうです、という感じの記述でした。
この場面で、ホセはセンターにいるものの終始下手側を向いてセリフを言って歌い始めるので、そのホセに落ちたファンの方は多分、前方下手側の席から観劇なさり、直接、母さん、と語りかけられた気分だったのでしょう。
確かに珠城ホセは、さわやかなスペイン軍の下士官からスタートして、カルメンと関わることによりジプシーの首領まがいにまで堕ちていく、その落差の大きさと、生真面目さゆえにじわじわと追いつめられていく焦燥感の芝居が際立った作品でした。わたしも大好きです!というか、こういう「今がそうだ~」とか「そうは言っていないい」とかセリフの巧みなこと!これだけで3時間語れるね。
この激情でファンになった方のエピソードを読んだ直後は、そこまで母性くすぐっていたっけかなー?と思いました。
だが、その時点から、何作も珠さま作品を様々なかたちで拝見していくうちに、、舞台に立っているときの魂が深部で震えているのが感じとれるような感覚が勝ってきました。
円盤を家のリビングで見ているとその舞台姿の美しさを抜けて向こう側に役の魂が透けて見える感覚がします。
よく、何かセリフがあって、そのあとに、その役として存在している彼女の顔の表情から、セリフのより深いニュアンスを読み取ろうとしている自分がいます。
ただ単に宝塚の珠城りょうって良いよねー、みたいなレベルで語れないのです。
起点である、早霧せいな、朝夏まなと、紅ゆずる、望海風斗、明日海りお、真風鈴帆らのジェンヌさんたちとは毛色が違うという軽い気持ちが、どんどん深く(重く?)なっていき、、今日に至ります。💦💦💦
珠城りょうというタカラジェンヌは、その美しさは横に置いておいても、声、姿勢、指先、生き方、芝居への取り組み、端正なダンス、舞台で見せる涙、すべてが美しい。
研9でトップになって苦労したとか単純なことではない、と言っておいて矛盾するようですが、その大変さは、トップ経験者にしかわからないでしょう。だから、その大変さを軽々しく語りたくない、そういう気持ち。
これから約1か月半、トップスターとしての5年間、および、14年間の宝塚男役人生の集大成に向かって歩んでいかれるのだと思いますが、すでに満足しちゃって感謝モードに入っている編集Jです。
珠城りょう氏が、先輩に気使って疲れるし、体力的にもきついわー、とか言っていたら、わたしたちに桜嵐記/Dream Chaser の喜びはもたらされることはなかった。
タカラジェンヌさんは頭の回転が早くて、しっかりした考えをお持ちの方ばかりですが、そのなかでも珠城りょうの気高さの気高いこと!🙏🙏🙏
今回、サヨナラショーのライブビューイングの画面にアーサー王として登場した珠城りょうさまのお姿を見て、大げさでなく、その瞬間からざーーーっと情景が巻き戻って、2016年のアーサー王伝説の登場シーンまで一直線に時間軸が伸びたような気持ちになりました。このためにあれがあったのか。←わかります?
アーサー王、再び↓↓



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