稲葉太地先生に脱帽ガイズ&ドールズが期待以上に良かった

感想

月組公演『GUYS AND DOLLS』宝塚千秋楽のライブビューイングを観てまいりましたよ。ガイズの大ファンなので、2023年の『1789 -バスティーユの恋人たち-』以来の再演祭りとなりました。再演祭りとは、セリフを覚えてしまうほど馴染みある作品を別キャストで見られる悦びに打ち震えひとりで大騒ぎすること、を指します。

再演には演出の変更などなど、XX年のほうが好きやったわ、という結果になる可能性もゼロではないので、少し不安も付きまとうものですが、結論としては、大正解、大優勝でした。

冒頭、稲葉太地先生、脚色・演出・訳詞とのアナウンスのおり、心の中で「訳詞もつけるんかい!」と叫んでしまったのですが、納得。訳詞 by 稲葉太地、言っておかないと。偉業を讃える意味と、すばらしさアピールの意味を込めて。

「あんた~」とか今言わないしな、どうするんやろと思っていましたら、あんた~は変えてなかったけれど、他が全てしっくりくるので、残してあるセリフや詞も意味深い気がしました。あと、とても納得したのは「運命の神さま」と「幸せの神さま」を「幸運の女神」とされていたこと。あ、そういえば幸運の女神じゃん、と思いました。コウウンという発音はすごく耳馴染みが良いわけではないのに、幸運の女神のほうがずいぶんと意味が伝わりやすいです。

ガイズの良さ

やっぱりガイズが大好き。ちょっとしたどんでん返しのような筋が良いのと、曲の雰囲気が好きなんだと思う。好みなんだなーー。加えて、なぜ宝塚版ガイズがこれほど好きなのか、好きな要素を考えてみました。

1.宝塚の男役が輝ける要素

2.キャスティングのしがい

3.時代と場所背景の妙

【宝塚の男役が輝ける要素】宝塚の男役、特にトップスターにおいて、こういうシンプルにかっこ良い役がある作品は貴重です。役は多くないですが、男役全員をスーツに包んで踊らせることができます!

スカイ・マスターソンのような、ただかっこよいだけでなく、暗さや弱さを秘めているような(この場合は、根がとてもマジメで思いやりに満ちているキャラクターね)主役が登場するのは、宝塚歌劇団的にとてもおいしいです。

これまでの再演のサイコロ振るシーンの振り付けも良かったですが、2025年版も素敵にアップデートされてました。特徴的だったのは、”The Oldest Establishment”「♪古いカオの老舗」改め「♪信頼と実績の男」のナンバーの振り付けで、お芝居を裏打ちするような主張のある振り付けがされていたこと。

ネイサン・デトロイト役は、あの風間柚乃氏だし!本人はギャンブラーではなくて、「寺銭」をもらう業者みたいな立場の人であることが、ふんだんに押し出されていて、振り付けがイキイキとしていましたーー。

期待以上だけでは語り尽くせないネイサンなのでした。

(ステージ・ドア#22 月組『GUYS AND DOLLS』出演で、稲葉先生がみんなが思っているようなことを代表して(?)発言してましたよね→→「おだちんはうまいいいですよねーーー!憧花ゆりのが見に来てくれて、あの子が出てくるだけでワクワクするよね!って言ってくれて…。」←←確かすーさんは風間氏がまだ音楽学校時代に声をかけていて、月組配属後、上級生として彼女を育てたようなものじゃないか?ご本人も2002年の2回目再演に出演されていた作品でもあるし、感慨深かったのでは?)

(ちなみに、主演鳳月杏氏に関しても、稲葉先生、まんま発言してました。「ちなつがセリフをしゃべってくれるだけで、もう十分スカイなので」←←ほんと100回同意する。)

【 キャスティングのしがい】三番手の男役がアデレイドを演じた場合、トップ、トップ娘役、2番手のトリデンテに、もう一人主要な役が絡んで変化がつく。娘役がアデレイドを演じる場合も、それはそれでしっくりくるし。

今回は彩みちる嬢と彩海せら氏のダブルキャストということで、あみちゃんこと彩海せら氏が華奢な感じでぴったりでした。大柄な男役さんが演じた場合、ちょっとドラァグクイーン味が出てしまうかもしれません。

ちなみに、女性お化粧の彩海せら氏、お顔がすごい強い姉御風に見えますね。全体的なミス・アデレイド像もすごく強くて歌唱もすごくて、男役だから女性らしさを意識した感がゼロなのは、ひとえに才能のすごさよ、と感嘆しました。

男役さんがアデレイドを演じると、ご本人には勉強になるだろうし、ファンが、あのときは娘役まで演じてすごかった、としみじみ喜べます。

【時代と場所背景の妙】時代と場所背景は、音楽とも関係するのですが、1948年、ニューヨークと、クラシカルな宝塚の舞台に合います。ストリート的なダンスとか衣装がちょっと場違いで、こなれていないように感じられるショーとかもあるなか、長い手袋している女性とか、コンビシューズにハットの男性が、舞台を歩き50年代風の音楽が聞こえてくるのは、とても自然です。単にナンバーが良いよね、というのを越えて、これこそ聞きたい!となるような。金管も弦楽楽器もこういう曲調の音楽のためにあるようなもの+演奏していて楽しいのではと想像します~~。

ナンバー群は、良作の典型として、各ナンバーが良いのに加え、絶妙にそれぞれが補完したり増強し合う関係性があります。どの曲にも絶妙なバラエティーを持たせつつ、まとまりがあるから。

泣いたのはおれ

「ブロードウェイで最も陽気なミュージカル・コメディの一つ」、と公式作品紹介にありますが、陽気か、コメディか、と問われれば否。

編集Jは、ちなじゅりが恋に落ちたシーンなどで涙が止まらなかったです〜。(面白いシーンの可笑しみもすごかったけどね〜)デュエットダンスも素敵すぎて切ない。

とにかく GUYS AND DOLLS が大好きです。だから泣けるんだと思う。しばらくはガイズ祭りが続きます。

↓↓再演を願ってた

コメント

タイトルとURLをコピーしました