人生、嫌なことにある程度一生懸命取り組んでそのあとでちょっと自分を褒めたりなんかして、、そうやってなんとか自分と折り合いをつけてきたここ数週間。もっとまっすぐな努力と前向きさが必要だった。珠城りょうさまの初コンサートに行ってきて学びました。
目の前のことに真摯に取り組むとはこういうことか、的な。
何か感動するものに触れたあとに、明日からがんばろーというのはよくあることなので、珍しいことではありませんが、襟を正される感覚があるのは珠城氏ならでは。あまりにも考え方が真っすぐでそれがトークや眼差しに表れていた感じ、なので、恐れいった。。。
編集Jは近視だし矯正していてもたいして見えないので、東京国際フォーラムの2階席から珠城りょうさまのお顔の詳細は見えません。(ゆえに周囲でゆっくり曲調の部分なるとオペラグラスが上がりまくり、その美しい姿を目に焼き付けるファン多し、なのですが)
だから「眼差し」ってなんのこっちゃ、と言わず聞いてくださいねー。
なんというか、意思が明確というか、ブレないというか、、表情から感じた。矛盾のようですけど、ふんわり感もありつつ。ご自分でも「ぽわぽわだ」みたいなこともおっしゃってました。
最たるものは、トークのときに疑問風に語尾を上げたりする話し方。これは男役のときは封印していたんだろうな、と思って微笑ましかったです。そんな中の人の素を取り戻しつつある珠城氏には、気負いとかは無いんだけど、芯が通っていた、というか。。。もっとてきとーに歌いまくったり踊りまくったりしていても全然不思議はないんですよ。自分のコンサートなんだから。でもそうはなっていなかった。
5月15日という退団9か月目の日にわたしが見たのは、珠城りょう 1st CONCERT「CUORE」というよりも「CUORE ~珠城りょう1st CONCERT~ 」でした。🤓
意思ある流されぶり、積極的なゆるみ、みたいなものがそこにはあった。
宝塚の元月組トップスターとして何万人規模でファンがついていて、その人々が求めるものを提供していこうと思ったら、自分のやりたいことと交わる点を見つけるのはけっこう難しいですよ。
現在の珠城氏はファンの方々が求めるから活動する的なスタンスが入っていて、これはヘタすると自分がなくなってしまい疲れてしまう危険性が。彼女の場合は、わたしはこういう歌を歌って、こんな役をして活動していきたい!という変なこだわりはないけど、やるとなったら、こだわるべきポイントは押さえる、みたいな良バランスが感じられました。
やっぱり、逸材ですよ、この方は。
この「CUORE ~珠城りょう1st CONCERT~ 」からさらに「CUORE ~珠城りょうと愉快な仲間たち~ 」へと進化していったらしいこのコンサートには、サポートとして7人の方が参加していらっしゃいましたが、多彩で多芸で、おはなしもできて。。。「CUORE ~珠城りょうと愉快な仲間たち~ 」と呼んだのは、全員で魅せるパフォーマンスグループのショーみたいな感じだから、なのでした。
廣瀬真平氏(だったと思う)&珠城氏でボージャングルのオマージュとしてハットを使ったダンスを踊られたとき、視界に何人も涙を拭いておられる方々がいらっしゃいました。
珠城さんの売りはヒーリングボイスと、もちろんそのしなやかなダンス、とは言えます。音楽の場合、思い入れがくっついていて、メロディーを聞いただけで感情が蘇る(特に退団されたばかりでもありますし)ことはあっても、こうして珠城さんが動くだけでファンを泣かせてしまうとはねえ…。
心を込めて歌い感動させる、という現象は想像できるし、ダンスにもそれはあります。でも、今の珠城りょうという人が伸び伸びと情感たっぷり踊っている状態に人の心を動かすものがある。全体的にからっとした部分が多いのに、しっとりの部分は、踊ったり歌ったりしている側もそれを受け取る側も情感が深くてとても不思議な感覚でした。
千秋楽のマチネということで、ゲスト無しの回です。ということで、♪蒼穹の彼方(太王四神記より)、♪白薔薇の君 (ベルサイユのばらより)、♪朝日の昇る前に (グレート・ギャツビーより)の3曲で宝塚メドレー的な部分を構成。
これらの曲も単に歌が伸びやかになったなー、という感想を越えて、珠城りょうというパフォーマーがこう歌うか、みたいな反応で見ました。勝手に、そうくるかーーみたいに心のなかでうなっていました。そういう意味では高揚感みたいなのはあまりなく。コンサートならばもっと騒げたら良かったのにねーー。
コンサートに行ったはずなのに、端正な空間でした。拍手はすぐ止まるし(宝塚の舞台のように次のナンバーへの迅速な準備)、舞台に立っていらっしゃる方々も観客を煽りすぎたりしないし。珠城さんを筆頭にね。😉
勝手に教訓を胸に帰宅した編集Jは、多くのファンの心が抱えているであろう矛盾にも思いを馳せました。宝塚時代を引きずりすぎていない珠城氏に対して、新たな船出に歓喜しつつもやっぱりあの時の雄姿が未だに瞼の裏に残る今日この頃。
「桜嵐記」も「Dream Chaser」もまだまだ平常心で鑑賞できないですよね、さすがに。
珠城さんにどんな役をやってほしかったか、という問いに答えは持っていなかったのですが、今回、やっぱ「王」と思いました。すでに演じたことがあってもやっぱりもっと王とか指導者みたいな役を演じるお姿を観てみたかったなー。エドワード8世外伝、みたいなやつ。


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