「オペラ座の怪人」における危機感を堪能してきた

劇団四季「オペラ座の怪人」のマルチ動画広告 感想

NHKの対談で4月に放送された、SWITCHインタビュー 達人達「湊かなえ×佐野正幸」の回を拝見してから、佐野さんの怪人を見たいと思ってきました。劇団四季は俳優主義でなくて、作品主義であるというポリシーをお持ちらしく、それとは逆をいくようにファンに熱愛されている佐野正幸さん演じる怪人。

この目で見なければ。

結果、やっぱりセクシーだった。所作が優雅だし、感情の伝え方に確かな腕を感じました。

前回(2021年4月24日)の観劇時と違って、クリスティーヌの危機を感じるほどでした。

劇中劇「ドン・ファンの勝利」の最中に、クリスティーヌがこのまま怪人に落ちてしまうという危機!どうしよう!と、顔が😖😖😖😖😖ずーーっとバッテン(もしくは梅干し食べながらみたいな顔と言えばいいか)状態で見守りました。

もう一人の怪人役俳優さんである岩城雄太氏と佐野正幸氏のあいだには約10年の人間年齢差があって、、そのあたりの危うさなのでは、と思います。

オペラが書けてすばらしい指導者でもあるんだから、クリスティーヌもこのまま勉強したらもっと上手くなるに違いない、と思えるような。端的に言えば、婚約者ラウルを凌駕するものを持っている怪人像に仕上がっていて、俗世界での年の差カップルに当てはめられるかのように、クリスティーヌと怪人のあいだの距離がつまっていく感じがしたのです。

前回観劇時のキャスト、クリスティーヌ(山本紗衣)、ラウル・シャニュイ子爵(光田健一)、メグ・ジリー(松尾優)あたりのメインどころは同じだったため、怪人のみ入れ替えたかのようでした。計らずも佐野バージョンを観て比較してみました観劇に。。。

前回観劇時と変わらず、クリスティーヌが快活で愛らしい印象。ラウルも当たり前ながら相変わらず上背があって、四季の舞台で感じがちな自分の周囲にいる「市井の人」感がなくていい!

野性味と繊細さも持っているラウルに佐野怪人を対峙させると、緊迫感が際立ちました。

打ちひしがれたクリスティーヌが父の墓前で歌う ”Wishing You Were Somehow Here Again” 「♪もう一度会いたくて」が、心なしかより力強く感じたぞ。

クリスティーヌを助けるべく登場するラウルにまで、ヒーロー感が増していた(ように感じた)今回はどうやら、わたしが『ラウルVS怪人VSクリスティーヌの揺れる心』構図を感じ取った観劇だったようです。

ラウルは墓地で怪人と対面対決するわけですが、佐野怪人がキレるときにはキレる怪人であるように感じられたため、対決がよりリアルに感じられました。岩城氏の怪人はもう少し冷静に優勢を維持しようとしていたような。。。岩城氏のほうが戯曲のなかの怪人感を出すことに成功していて、それも良いんです。オペラ座の怪人は、80年代に生まれた現代のおとぎ話なので。

墓地対決との対比で、オペラ座の屋上でクリスティーヌをラウルに奪われたと感じた怪人の悲しみは、より深く悲しく感じられました。

佐野怪人には、卑屈さも一定量あるので、ちゃんとこじらせ愛は表現されています。そのうえで、頭の良さや、威厳があったし、所作の美しさが手伝って優しくも見えた。クリスティーヌにベールをかぶせる場面も、なんかちょっと直してちゃんと頭にフィットするように付けてあげていて、キュンとしましたよ。

威厳はどういうところに感じたかというと、クリスティーヌに憐みを持たれたと感じたあと、狼狽しつつパイプオルガンのところまで歩いていき、、振り返ったときには、もう二人を逃がそうと決めた顔をしていた点。思わず、立派だ、と言いたくなるような。

号泣よりは、しずかーに涙がつーーと頬を伝う感動ね。😉😉😉

前回の観劇時に、テーマが重いからそうそう何回もリピートできないね、と連れから言われましたが、そんなわけもなく。

観劇後に、爽快感がありました。カタルシスとは違い、作り込まれたものを鑑賞させていただいたときの充足感。あの人が演じる○○が見たい、というものすごく基本的な憧憬の感情。そういうものを持たずに人は生きていけないのだな、とも思わせるソワレでした。

今回、たまたま後ろを歩いていた男性が、誘った女性に「だまされたと思って観てほしい」と言うのに遭遇しました。ミュージカルを普段あまり見ない、という方々を誘いたくなる作品ではあります。

日本人の情緒との親和性も感じます。トップハットや豪華なドレスが登場する趣のある時代背景。オペラ座の旧支配人が「じゃあ、何かあったらわたしはフランクフルトにいますので」みたいにはけたときに、ここはパリ!イタリアやドイツから芸術家がやってくるパリ!みたいなイメージが脳内にひろがりました。

東京での公演が2022年1月10日に千秋楽を迎えます。お急ぎください!大阪四季劇場での開幕は、2022年3月6日(日曜日)です!

半年前に観たとき↓↓

新演出!

こちらは父と子のものがたり!

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