2021年は雪組公演「f f f -フォルティッシッシモ-/シルクロード ~盗賊と宝石~ 」@宝塚大劇場で明けました。
東京宝塚劇場では、3日まで月組公演「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」がかかったのちに、宙組公演「アナスタシア」が上演。
「アナスタシア」の後に「f f f -フォルティッシッシモ-/シルクロード ~盗賊と宝石~ 」が東京へやってきた後は、以下のような順番で公演が行われました。
星組「ロミオとジュリエット」 花組「アウグストゥス-尊厳ある者-/Cool Beast!!」 月組「桜嵐記/Dream Chaser」 宙組「シャーロック・ホームズ/Délicieux! -甘美なる巴里-」 雪組「CITY HUNTER -盗まれたXYZ-/Fire Fever!」 星組「柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」 花組「元禄バロックロック/The Fascination!」
バウホール&外箱は、コンサートを含めて以下の通り。
珠城りょう「Eternità」 花組「PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-」 花組『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』 月組「ダル・レークの恋」 月組「幽霊刑事(デカ)~サヨナラする、その前に~」 宙組「夢千鳥」 宙組「Hotel Svizra House ホテルスヴィッツラハウス」 雪組全国ツアー「ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-」 雪組「ほんものの魔法使」 礼真琴&星組「VERDAD!!」 星組「マノン」 轟悠&星組「婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)」 花組「銀ちゃんの恋」 花組全国ツアー「哀しみのコルドバ/Cool Beast!!」 月組「LOVE AND ALL THAT JAZZ」 月組「川霧の橋/Dream Chaser -新たな夢へ-」
こうして振り返ると、星組さん以外の大劇場公演は、退団公演もしくはお披露目公演。その星組が今月大千秋楽を迎えるおりには、愛月ひかる氏ご卒業、とこれも節目の公演。今年はお披露目と退団に明け暮れた?悲喜こもごもな年だった、ということですね。
お披露目が多かったのは、雪組が新体制に移行したのと、星風まどか嬢の異動と潤花嬢のトップ娘役就任があったため。
「アナスタシア」は、星風嬢の宙組トップ娘役としての最後の公演でした。アナスタシアとディミトリが、アレクサンドルⅢ世橋のかなたに消えたこととリンクしたかのように、この作品を最後にまかまどコンビは消えた。。。
宙組の歴史の1章がアナスタシアのおとぎばなしと一緒に終わった感じ。同じ舞台に次期トップ娘役を担う潤花嬢も立っていたわけですが、踊る場面が多くて彼女の良さも活かせたし、ちょうどいい感じになっていました。(新旧トップ娘役が絡んでもあまり気持ち良いものじゃないしね)
まかまどファンが見納めと惜しんでいた感情は、まどか嬢の花組での活躍、潤花嬢の天真爛漫かつ大人っぽいトップ娘役ぶりで昇華されたのではないでしょうか。
なってみると花でフィットしているけれど、想像つかない展開でしたね。潤花嬢の宙組へのフィット感も想像外でしたが、骨太な感じが雪の枠から飛び出して宙にまで飛んで行ったかのように感じられます、今は。
タイミング的に、アナスタシアは2020年と2021年をまたいだ公演であったため、「fff」よりも遥か昔な感じがするんですね。遠い記憶。。。
日本初上演という意義や、キラキラな内容が冬の上演期間とマッチして印象深かったし、このブログの主旨にぴったりであるため、2021年作品賞は「アナスタシア」に差し上げたいと思います!
”宝塚版「アナスタシア」はキラキラのつまった乙女の原風景” で書いたのですが、アナスタシアがタイトルロールとなっている足枷のおかげで、「♪She Walks In 彼女が来たら」という名曲をオリジナルのブロードウェイ版ではカットしていたという由々しき問題が発生していました。宝塚のおかげで、この曲は復活したのです!
オリジナルキャストのディミトリ役 Derek Klena氏が言うんだから間違いない。「♪She Walks In 彼女が来たら」は覚えた、と言うんだから。彼がとあるインタビューで答えたのは、その娘が部屋に入ってきたらモーメントを歌う素晴らしい曲だったのに、主役であるアナスタシア優先でカットされてしまった、という事情でした。
「なお、宝塚歌劇での上演にあたって、ブロードウェイのクリエイティブスタッフにより、真風涼帆演じるディミトリ役に新たに楽曲をご提供いただきます」という公式サイトの一文が書き下ろし、とも解釈できてしまうため、当初はそう思っていたのですが、調べてみたら実際はもっとドラマチックでした。
カットされた曲を復活させると、全体の解釈も少し変わると思うのです。まずは、この曲が日の目を見たのがめでたかった。
宝塚としては、トップスターが主人公でなければならないので、真風氏に歌い上げてもらうための曲として配されているのですが、波及効果がすごかった。「♪She Walks In 彼女が来たら」のおかげで、二人のロマンスが鮮明になったし、利用しようとしていた女性を無事マリア皇太后のもとへ送り届けてからの心情の変化も、この曲無しでどうやって表現できるというのか!(大げさ?)というくらいの効果が。
この曲が登場するのは、1幕2場、ディミトリがアナスタシアとして通用する女性を待ち望んでいる場面。そして、2幕10場のアナスタシア発見の報奨金を断る前、恋に落ちたアナスタシアとの決別を決心する場面。リプライズのマジックが効いてます。最初に歌われたときと、2回目に歌われたときでは、二人を取り巻く状況は全く変わってしまっている。(真風氏のプリンスぶりも⤴⤴)そこで同じ歌が全然違う歌詞で歌われるのがミュージカルの醍醐味!
フィナーレのデュエットダンスもこの曲で正解、というかこの曲以外でのデュエダンは考えられないくらい。
他の曲も楽し気だったりキラキラが過ぎるくらいキラキラなのですが、1曲1曲が少しずつ違いながらも、全てを貫く曲調の共通点みたいなものがあって、全部通すとさらに素敵。普通なら全部通すことはないけれど、宝塚ならパレードがあります!
パレードのおかげで、エトワールの「♪Once Upon A December とある12月」 から始まり、物語の流れをおさらいして、プリンセスとプリンスがそれぞれの持ち歌でしめる、みたいな流れがもう最高でした。
だいたいどんな公演でも良作においては、演者、演目、演出がぴたっとはまる感覚がありますが、アナスタシアと、あの12月の宙組(真風鈴帆&星風まどかコンビ、花組異動後組長就任予定の美風舞良嬢専科異動前の凜城きら氏、もうすぐ雪組へ異動する和希そら氏、トップ娘役就任前の潤花嬢、9月の退団者の方々である遥羽らら嬢、花音舞嬢、綾瀬あきな嬢、美月悠氏、星月梨旺氏、七生眞希氏、里咲しぐれ嬢を含んでいる宙組)のはまりぶりが「アナスタシア」を盛り上げました。
主要人物が少ないので大活躍したのは和希そら氏くらいでしたが、瑠風輝氏のニコライⅡ世、遥羽らら嬢のアレクセイ、天彩峰里の少女アナスタシアとか、なくてはならない配役要素が詰まっていて、星風まどか宙組トップ娘役時代の美しい足跡にー。
退団者が多いとその前の2,3作品はあとから映像を見ると悲しみが大きいものですが、アナスタシアは明るい曲調や力強い歌詞が多くて精神衛生に良い作品だわー、と2021年末に思います。
中断・中止の憂き目にあった作品もありましたが、2021年は何も考えず愛でたり聞いたりできる明るくキラキラなアナスタシアの世界観がけっこうはまりました。冬が来るたび、引っ張り出して鑑賞したい宝塚版アナスタシアなのでした。作品MVP賞受賞おめでとうございます。🙇🙇🙇
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