NHKEテレで4月17日に放送された「SWITCHインタビュー 達人達」小説家湊かなえ&劇団四季の佐野正幸さんの対談を見ました。湊さんは「オペラ座の怪人」初演時からの佐野さんファンのようで、その乙女な語りぶりに佐野さんと対談することができた緊張と喜びが溢れていました。
四季劇場[秋]で行われた佐野さんが答えるインタビューと、後半出版社に場所を移して行われた湊さんが自身の諸作について答えるインタビューで構成されているのですが、劇場でのおはなしのほうがワクワクしますよね、そりゃあ。オープンしたばかりの劇場でキャパが1200ということで、日本青年館ホールより少し少ないくらい。
佐野正幸さんは、オペラ座の怪人でのアンサンブル、ラウル役を経て、2006年8月8日公演より怪人役を演じているのだそうです。Wikiには、ラウル役として、稽古時も含め、唯一歴代すべての怪人役と対決している、って書いてありました。
最強ラウル!(ラウルは宝塚版「ファントム」でのシャンドン伯爵)
「美女の野獣」のビースト、「エビータ」のペロンと、他の演目の大役も演じていらっしゃいます。
いつものようにチラ聞きしていて、耳が大きくなったのが、踊りは全くやっていない、という箇所でした。東京芸術大学声楽家をご卒業された声楽家なので当然です。オーディション時はどうしたんですか!?みたいな質問に、当時は歌える人が少なかったのでそれほど問題にはならなかった、、みたいなお答え。声楽枠の重点採用だったということなのでしょう。
一般的なミュージカルで、声楽枠の人がいるとホンモノにはかなわない!みたいになるのが気になりますね。観客は、舞台に立つ人の技術だけじゃなく、その全てを感じるものなので。一概には言えませんが、一般ミュージカルの分業ぶりを否とすると、正は宝塚方式ってことになります。
個人的には、すべてのキャストに踊ってほしいので、宝塚は生徒さんがすべて踊れる、という点がもう大好きだよなー、と再認識です。歌のほうが得意だ、芝居のほうが得意だ、なのでダンスには苦手意識がある、というジェンヌさんでさえ、ふつーに踊ってるもんね。
ただ、「オペラ座の怪人」と「ファントム」はどちらもオペラ型式ミュージカルなので、歌が主役です。踊りの要素は、自然に組み込まれている程度。そこで、また出てくるのが、フィナーレですよ!(取っ付きやすいかな、と、布教用のディスクにフィナーレをたくさん入れたりするのですが、単に自分が好きなだけかもですねーーー😅😅😅😅😅😅😅)
オペラ座とファントムの違い
復習してみましょー。
「オペラ座の怪人」は、アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の世界的ロングラン定番ミュージカル。2004年には映画にもなりました。
アーサー・コピット氏(1937~2021)が書いた脚本に、ミュージカル「グランドホテル」の作曲者でもあるモーリー・イェストン氏が詞と音楽をつけたのが「ファントム」です。
この2つの作品には、内容差と時間差があり、特に時間差に関して逸話があるんです。
脚本・作曲のコピット/イェストンコンビが小説原作から舞台をつくろうとしていた最中の1986年に、ロイド・ウェバー版がロンドンでヒット(1988年にはブロードウェイで上演)したため二人の計画は頓挫。その後、1990年にテレビドラマとして放送する機会があったため、コピット氏は、これを誰かが見て舞台化しよう、ということになったら、既に全部できてます状態じゃん!と思ったそうです。
そしてその通り、無事に日の目を見たこの、もう一つのほうの怪人ミュージカル。評価は高いし、宝塚でも4回目の再演を果たしたばかりです。とはいえ、広く世間に広まっているのはロイド・ウェバー版。
個人的には、ロイド・ウェバー版のストーリーの流れが好きです。歌姫とラウルが結ばれる部分はハッピーエンドとも言える。「ファントム」のほうが玄人受けする作品だったりする?と思っていたのですが、よく考えたら、こちらはよりオペラ座に住む怪人と呼ばれる男性に焦点が当たっている作品なので、宝塚には相応しいのかもしれませんね。ロイド・ウェバー版は、怪人×その屈折した愛×クリスティーヌの葛藤×クリスティーヌの普通の恋愛、の物語です。
今回、とある小さなカンパニーがアメリカで上演した動画を拝見して、体感しました。怪人を中心に据えたことに起因するだけでない「ファントム」の良さを。
東宝版もリアル男性のキャストなので、こんな父子を中心に据えた物語になっていて歌詞もより原語に近くしてありますが、この会話のキャッチボール感↓は出せていないような。。。
エリック:息子だと知っています。察しただけじゃないです。目がおんなじだと思ってました。でも、いつそうだと言ってくれるのかなと思ってました。 お父さん:(おー!バレてたのか!みたいなジェスチャー)事実だってわかったところで言うけども、いてくれて良かったと思っている。 エリック:いやいや、そう思ってるのはこっちのほうです。
↑リアルな会話じゃないですか?
水面に自分の顔を見て海の化け物を見たと思った、というセリフも、よくよく読み解いてみると、本当に化け物がいたと思い、自分の顔とは結びつけていない、ということなんですね。
宝塚版の映像見た時点では、海の化け物見たと思ってびっくりしたーでも自分だった、くらいの浅い解釈をしていました。この解釈の違いによっては、自分の顔について認識したのはだいぶ後になってから、ということになって、より悲劇感が。。。
宝塚版で「♪おまえの望みはきっとかなえよう~」東宝版で「♪きみを誰にも触れさせはしない~」のところが、「おまえを見せ物にさせはしない」なんです。この言葉だと、お父さんが怪人を眠らせてやらなければ、という意思の強固さがストレートに胸にくるなー、と思いました。
これは、どちらにも良さがある、というパターンだ!久しぶりにオペラ座の怪人を見に行こうと決めました。😉😉😉😉😉
そしてオペラ座の怪人を観た↓↓



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