桜嵐記の音楽と効果音に想いを馳せる

桜嵐記の音楽 作品語り

大河ドラマの全盛期とはいつ?

答えは、1987から1989年まで。視聴率トップ3が、1位の「独眼竜政宗」から「武田信玄」「春日局」まで、時間軸と順位が完全一致するそうです。

視聴率自体が30%代と高いのは、テレビのお茶の間視聴の全盛期と重なっているから。家族が一緒にテレビを見た時代ね。そんな時代もありましたね。

視聴率だけでなく、一番好きな大河として挙げられるのが多いのも「独眼竜政宗」です。「桜嵐記」マイブームを受けて、音楽が効果的に使われていることも静かな感動を呼ぶ大きな要因よね、と思ったことから、大河ドラマの音楽を想起するなーと思い調べました。歴史大作に相応しい壮大さ、という共通項なのか?NHK交響楽団が演奏している優美なオーケストラ音楽だからなのか?

独眼竜はオープニング・テーマでも評価が高く、名作は名曲なくして成らず状態なのです。

大河ドラマファンではない編集Jですが、大河のオープニングに使われる音楽とタイトルバックのCG映像の豪華さには目を奪われていました。

2000年以降は特に、お金と時間をかけた感が画面から漂ってくるし、途中で大胆に曲調が変わったりして、時代の変化、描かれる人物の人生の変遷をなぞるかのようなオープニング・テーマに胸踊らされました。

『壮大』でくくることができるOPテーマも、壮大一辺倒で突き抜けるものもあれば、ちょっと軽快な部分があったり、憂いや哀しみがあるもの、と作品によって様々。

YouTube にあがっているどの曲にも、大河屈指の名曲とか、子供のころ見ていて終わったときに喪失感を味わったみたいなコメントがいっぱいあって、ひと昔前の大河って人々に愛されていたなーとしみじみ。。。(わたしは、2014年「軍師官兵衛」のOPテーマに最大級のロマンを感じたし、タイトルバックが美しかったのを覚えています。大河も桜嵐記くらいテンポ良く進んでくれればいいんだけどね。1年超続く連続ドラマと比べられないか。)

2022年、2023年放送予定の大河はもう決まっているんですってよ。「鎌倉の13人」と「どうする家康」だそうで。主演俳優に既視感があるのは、最近の傾向です。新鮮味がない。

で、われらが桜嵐記です。全方位向ぬかりなしなつくりかたは、音楽の良さを含みますが、それだけでない巧妙さが随所に見られます。

音楽や効果音の、オーケストレーション、強弱、使用箇所から、歌詞や季節感の出し方に至るまで耳から入る効果がおはなしの展開を助け、盛り立て、完結して、見るものを癒しとカタルシスに導くのです!

例えば、第6場「赤坂村・楠木の館」の終わり方。

楠木正時(鳳月杏)と百合(海乃美月)が再会をよろこび舞台脇で言葉をかわすあいだ、フルート演奏による「♪春の歌」の4小節分(だと思う)が流れ、終わると「正時さまも生きていてください」というセリフになる、という構成。

この部分の歌詞は、♪ならば知るか 花々よ 散りぬ意味を♪ なので、「♪散りぬ意味を~~」のメロディーが終わった直後に「正時さまも生きて…」となるわけで、何をどうやったらこんな場面がつくれるのだろう?というほど巧み

初見でも静かにぐっとくる場面なのに、2回目以降は、お二人が移動し始めたときに「♪花ならば知るか 命の意味」と、歌詞つきで脳内再生されちゃって困るパターン。

第9場「吉野行宮・前庭」では、5月収録の円盤にはない吹きすさぶ風の音がいつからか足されたようで、大千秋楽公演の吉野行宮は以前にも増してわびしかった。

想像力を発揮して「吉野の山は春といえどもこの寒さ」をなんとか脳内補完することはできていたのですが、効果音が追加されたことで、厳しさも表現されました。

厳しさは、楠木正行(珠城りょう)の置かれた立場の厳しさを意味することにほかならず。

わびしさは、登場人物たちが安らいでいる瞬間、瞬間の刹那を際立たせる効果が。舞台上では、敵軍の数の圧勝みたいなのが見えにくいのですが、少数派を実感させるようにも聞こえる、わびしーい風の音。。。

後村上天皇が詠んだ和歌の使い方にも感心したのですが、もう一遍、和歌が吟じられる場面があります。第12場「如意輪寺の庭」です。

咲いた桜をお詠みあそばせ、と促されて勝子(桜奈あい)が詠う一句。

白雪の
なほかきくらし
ふるさとの
吉野の奥に
春は来にけり

白雪がなお空をかき曇らせて降る里、吉野の奥にも春はやって来たんだなァ
雪が降る里=ふるさと、にかけています
    
   ー嘉喜門院(近衛勝子このえしょうし)

BGMと絶妙に調和・不調和しつつ吟じられる歌。桜がいつ咲くか、咲いたらいつ散るか、と待っている時節の心情が全て凝縮さているかのような場面です。

楠木正行(珠城りょう)と弁内侍(美園さくら)の逢瀬、それに続く合戦の直前に、この小休止のような安らげるような場面を持ってくるのもにくい!!

ちなみに、、大河ドラマ第1作目のタイトルが「花の生涯」(1963)だそうですよ。花を見れば涙する(桜の季節じゃないけど)珠さまご卒業後の日々、こじつけすぎかしら?必要以上に大河見たかのような舞台だったな、とおもい返す今日は、8月20日です。。。🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸

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壮大さに慣れない!

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