れこうみプレお披露目公演はお芝居ショーともに筋金入り

「川霧の橋」のセット 感想

1990年に初演された剣幸&こだま愛コンビの退団公演「川霧の橋」が、2021年まで再演されなかった。これすなわち、枯渇しない宝塚の創造性を意味する。毎年少なくとも1本くらいは名作が生まれているはずなので、どんどん積みあがっていく感覚あります。時代に合う新作も古き良きも両立。贅沢なことです。

川霧を書かれた柴田侑宏先生は宝塚歌劇の殿堂入りを果たした演出家。その作品群のなかでも、川霧とは真逆に、1983年の初演以来6回再演された作品もあります。「うたかたの恋」です。再演の数がこんなに違うのは、様々な条件や役者が揃うことではじめて検討される証拠では?機械的に再演していないから、再演が多い作品とそうでないものに分れるのだと思います。

明日海りお氏が樹里咲穂さんのスカイステージ番組JURIの宝塚音楽同好会で、「うたかた」を出演してみたい作品に挙げられていました。(ちゃちゃーんちゃちゃちゃーんちゃ、っていうあの前奏でワクワクする、ってお話しされてたのですが、以来ちゃちゃーんちゃちゃちゃーんちゃがさらに好きに。。。)明日海氏のように、様々な役を演じる機会があったタカラジェンヌさんに選ばれる「うたかた」とは相当なものだな。🤔

同じように、「うたかた」を夢見ていた方がもうひとり。それは、愛月ひかる氏。

2021年11月1日のサヨナラショーで、主人公ルドルフ&マリーのプロローグを舞空瞳嬢と演じられたそうで、、「おとめ」に希望を書き続けたのちにかなった長年の夢だったんですね。東京公演でもう1回見られる!(舞空さんは、あの三日月のアクセサリーが似合いすぎる娘役さんでは?白い軍服×愛月ひかるは言わずもがな)

出演作でないのにサヨナラショーに加えられたのが柴田作品であるということは、人気なんて軽い言葉では片付けられない支持の表れです。

月城かなと&海乃美月のおふたりは、柴田作品で第一歩を踏み出しました。新トップコンビのプレお披露目公演として31年ぶりの再演という意義が深く、れいこさんとうみちゃんと、それぞれの役の相性も抜群。させていただけるなんて光栄です、みたいな言葉がリアルに響きます。

れこうみの門出

この幻の「川霧の橋/Dream Chaser」をライブビューイングで観てきました。プロローグから感心してばかり。初見なので単純にストーリーを楽しめていません。なんということのないセリフにいちいち感情が揺さぶられ続ける感じ。うみちゃんの若くてせつない「コンチハー!」とかね。

だから何回も観劇したくなるんでしょうね。悲恋なので、ちょっと体力を奪われる物語ではあります。

しみったれたストーリーだな、おもしれーじゃないか(なぜか江戸っ子)

楽しさに悲しみが、悲しみに明るさがちょっずつ混ざっている作品を、どちらかに傾きすぎず最後まで持っていける月組は強すぎます。

歌が格段にグレードアップしたうみちゃんにつよつよ賞。れいこさんはすごつよ賞差し上げたい。できるお方ですがここまで?状態。天紫珠李嬢を筆頭に月組の娘役さんはみなさん芯が強い役をやらせたらピカイチ。晴音アキ嬢や妃純凛嬢しかり、白河りり嬢も魅せる!蓮つかさ、英かおとを筆頭に月組の中堅男役さんはみなさん、そつがない。光月るう&夏月都のおふたりは珠玉。月組生37人全員素晴らしかったです。

ありちゃんこと暁千星氏の声やダンスに、野太さと重みを感じていたのですが、月組生全員そんな感じに思えてきた。声量が大きく、よく通る声質の方々ばかりなのに、うるさく感じないし、ダンスも力んで見えない。

「Dream Chaser」のスパニッシュの場面で暁千星×鳳月杏から出る雰囲気に掛け合わされたのが、天紫珠李嬢のダンスだからそう感じたのかもしれません。

ショー自体は相変わらずシンプルで曲がどれも良くて最高なんですが、より力強くなった感じでした。全国ツアーみたいに旅せず一か所に留まって公演するから適度に気分転換になるだろうし、少数精鋭一致団結になりやすいのかも。

改めて、どんどこどんどん的な「和」なダンスは心震えて止められない!と再認識。珠さま×和風ロックも良かったのですが、人数が減ると、和風ロックを極めた人達(?)が自由にセッションしているかのような雰囲気に。

ちゃぴこと愛希れいか嬢のマリオネットダンスを思い出しました。2014年に上演された「CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-」は、2017年に月組が「鳳凰伝」で全国ツアーしたときに再演されたショーだったのですが、マリオネットダンスが3年前よりパワーアップしているという評判だったのです。3年だけでも、年齢的に上になったのに、維持でなくパワーアップ?と訝しんだわたくし。同じような感覚で「Dream Chaser」がなんだかバキバキに強化されてる!と思ったのでした。

月組の約半数の人数で、こんなに熱を発する。バウ公演「LOVE AND ALL THAT JAZZ」を終えて博多で観劇した華蘭先輩(千海華蘭)も自分の組ながら、月組すご!月組つよ!ってなったでしょうね。

あと、娘役さんの髪型が全部かわいかったです。

(↓ここからは、こぼればなしなのでちょっと脱線してます↓)

運命のいたずら

柴田作品のうち、映像で確認できる範囲を拝見したところでは、これからご覧に入れる物語の気風をまず味わってください、というパターンが多用されている気がします。あとは、男と女を真正面から対峙させて交差した情念を浮かび上がらせる、みたいな作品が多い。

川霧もプロローグ、祭り、杉田屋の場面まで、たっぷりと江戸情緒を味わせてくれます。男女の情念という側面に関しては、第10場でガツン!と脳にきました。

幸次郎(月城かなと)が新しい柳橋の河岸でおよし(結愛かれん)を連れてお光(海乃美月)と再会する場面。

わたしが学生の頃のこと、彼氏さんとがっつり腕を組んで歩いていたら、向こうから彼の後輩が歩いてきて、さっ!と腕を振りほどかれたことがあるんです。

ん?と思ったけど、まあいいや。見ると、二人はとても気まずそう。その後輩ちゃんは彼に恋心を抱いていたため、後から飲み会の席で泣かれたんですって。多分、好きだったけど始まる前に恋が終わっちゃいました、みたいな感情を言葉にすることなく涙していて、彼は彼で、見られちゃったねそういうことだから、みたいな雰囲気を出していたんだと思います。そのときにハンカチを渡してなぐさめ、そのハンカチを後輩ちゃんは洗って返してくれたんだそうです。

ハンカチ持ってたんかい!洗って返すとき青春だな!など突っ込みどころ満載なエピソード。

ここで言いたいのは、男性が一番セクシーなのは誰かのものになったときだ、ってこと。お光ちゃんも人妻ですけど、それよりなにより人夫のほうが問題。しかも、その誰かを優しく介抱してるなんて、介抱してもらっていない自分との対比に心が痛みまくりですよ。

下手のお光ちゃんと上手の幸次郎&およしの間に複雑な感情が飛び交っているかのように感じました。月城かなと&結愛かれんの幸次郎およし夫妻が上手にゴージャスな風を吹かせ、下手にはみすぼらしい身なりのお光。。。

この場面については、観た方それぞれに様々な想いが湧く場面だと思います。わたしの場合は、この学生時代ばったり事件が蘇りました。ばったり会う可能性がほとんど無いような場所だったんです、なんという運命のいたずらでしょうー。

れいこさんの誤算

どうやら幸次郎という役は初演時の剣幸さんの工業高校に通っていたという異例の経歴も手伝い、堅実な感じというのがキモらしいんです。退団公演の当て書きですし。

2019年のバウ公演「アンナ・カレーニナ」でやっちゃったれいこさん、プレお披露目でまたやってた。それは、他の男性の元へと去られる役なのに、異常にかっこよいこと。見た目じゃなくて性格から出る雰囲気も含めてね。

幸次郎が当代随一の色男だとまずい。初演を観た方々(ライブビューイングの会場には、初演を観たリアル江戸住みファンがいらっしゃるわけで)には、れいこさんがさっそうとしすぎていたと感じた方がいたみたい。

そういう感想を小耳にはさむと、なるほどー、大工仕事もできる歌舞伎役者さんみたいだもんね、と納得。本来なら、清吉(暁千星)との未来はバラ色、幸さんとの生活は質実剛健、という対比が欲しいところだったようですね。

清吉を待っていると約束したとしても、そのへんは、事情が変わって仕方なかったとかなんとか理由をつくって幸次郎と結婚してしまえ!と思わせたら悲恋が台無しだもんね。(初演との比較こぼればなし、みたいな感覚で漏れ聞いて全然イヤな感じはしなかったです💛)

始動!↓↓

悲しいのにハッピーな作品

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