珠城りょう退団公演「桜嵐記/Dream Chaser」の衣装を担当されたのが、薄井香菜という方で、この作品で大劇場作品の衣装担当デビューなのだとか。1991年に宝塚歌劇団に入団以後、数々の衣装でファンを魅了してきた有村淳先生のような大御所でないとあまり全面には出てこない衣装関係のスタッフさんたち。
それでも担当された衣装が名刺代わりになってファンの注目を浴びます。薄井香菜さんは「桜嵐記/Dream Chaser」の衣装で確実にファンの心を掴みました。
いまさらなのですが、2020年9月号の宝塚GRAPHに掲載された「THE COSTUME ~衣装デザイナー・有村淳の世界~」を読みました。衣装全般についての特集かと思っていたら、有村作品を振り返るページだったわけで、読み飛ばしていた(!)改めて見て、これ全部有村作品か~、とびっくりでした。
お名前は、ありとあらゆる作品のクレジットに登場されるし、「All for One」でのデニム生地を使った銃士隊衣装などに関して、ちょこちょこ解説的な情報が公式から出ているものの、特集として集められたものを見ると壮観。
軌跡をたどったら一冊のムックできる。この時集では、印象深かった17作品について語られています。
「エリザベート」のトート役用だけで100着はデザインしている、という言葉が全てを物語っていますね。30着くらいかと思ってましたが、、またエリザか、今度はどんなのにしよう?状態でしょうねー。😅😅😅
本なしスタート
ある程度想像できたものの、演出家の先生が出す要望がふんわりしていました。ポスター撮影時に必要な衣装は、詳細未定でデザインし始めるしかないですしね。
17着のうちの1着は、藤井大介氏作宙組公演「アクアヴィーテ(aquavitae)!!~生命の水~ 」から。真風涼帆氏着用の白い変わり燕尾みたいな一式です。藤井先生の要望は、ヒョウ柄を使いたい、だったそうで、ショッキングピンクと組み合わせる案もあった、とか。
ヒョウ柄と組み合わせる色は、それほど選択肢が多くないので、そっちにいく可能性もあったわけですね。
でも、あの白+グレーのグラデーションヒョウ柄みたいなのに落ち着いて良かった!同じく藤井作品である花組公演「Cool Beast!!」でもっとベタなヒョウ柄が登場したことでもあるし、、アクアヴィーテはあの抑えめのヒョウ柄で正解。端正でした。
雪組公演「ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)」で、デボラを演じる真彩希帆嬢が大階段上で着た装備(?)も載っています。
小池修一郎先生によるリクエストは、「大階段一面を埋めるような大きなドレスにしたい」だったそうで、これも随分ふんわりとした要望だこと。
出来上がったのは、ピンクのドレスとその上に着ける、大階段いっぱいに広げて10人くらいで裾を持つピンクのマントみたいなやつ。インパクトは大きいが登場時間は少なめで、保管場所や方法はどうするんだ、というもの…運ぶのも大変そうです。😅😅😅😅😅
ポスター撮影時の衣装に関しては、星組公演「GOD OF STARS -食聖- 」用に「脚本の内容もまだわからず」つくったという衣装が紹介されていました。
リクエストが「ただ ”料理の鉄人” みたいな感じで」だったそう。これもまた、ふんわりした要望。
ブルーに白とグリーンのアクセントが使ってあるコック服みたいなデザイン画が掲載してあります。実際の衣装に使った生地はチャイナ柄のサテン。斬新!
ポスターと製作発表会が、実際の公演の随分前に行われ、しばしば衣装やメイクが大幅に変更されることから、固まっていない状態で衣装制作やポスター撮影が開始されるのは察していても、脚本の内容がわからないとは。衣装は時間がかかるからそうなるのでしょう。
あと時間がかかると言えば、大道具。これも未定事項が多そう。
大道具の大御所である装出家・大橋泰弘氏が、月組公演「All for One」に向けて、演出家の小池修一郎先生との取り組みを、本も何もないところからスタートした、と語っていました、スカイステージ番組「ステージ・ドア」で。
「こういうイメージ、っていうので、模型をつくって、こんな感じでどう?」と提案すると、小池氏がそれを「たたき台にして本を書くんじゃないか」と。さすがにそれはないと思うのですが「本が遅い」ことを強調するためにそういう言い方されていました!!
同作品の製作発表記者会見も、ルイ14世(愛希れいか)モンパンシェ公爵夫人(沙央くらま)ベルナール(月城かなと)など、三銃士と関係ない登場人物が、♪オールフォーワン~♪って歌っていていて、本番の舞台にはない世界観をつくっちゃってる!
主要人物を演じる人を集めて歌ってもらうからなのですが、とりあえずこんな感じの作品やります、っていう発表のように見えるときもある。。。というか、それに近い。
さすがに台本はあるとしても、詳細は未定状態で行われるのが製作発表会ということか。。。
スパイシーの衣装
有村作品特集に掲載されたデザイン画はどれも再現率が高いのですが、前述のデボラの衣装は、デザイン画のほうがワイルドな衣装に見えます。完成品のほうがキュートにふれてる。それは、デザイン画が娘役さんの等身バランスで描かれていないというのもあります。
男役さんの場合は、脚の長さとか、現実もデザイン画と同じくらいなのでギャップが少なく見えます!😆😆😆
月組衣装ページの大半を占めるのが、All for One 用デニムの銃士隊衣装なのですが、もう一つの作品が紹介されています。それは、BADDY!
バッディーズの一人、スパイシー役を演じた美園さくら嬢の写真とともに紹介されているのが、ベージュブラウンと赤の長袖レオタード衣装。(もう一着は月城かなと氏がポッキー役の女装で着た、意図的にださい水色のワンピース)
バッディーズの娘役さんたち(海乃美月、玲実くれあ、叶羽時、結愛かれん、羽音みか)どなたもかっこよかった。この衣装の力も手伝って、登場シーン2秒でもうかっこいいって感じでしたね。
有村氏のコメントは、「大量のストーンを使いました。石の配置を何度も変更したりと、時間をかけてつくったので印象深いです。スタイルが良くないと着こなせない衣装ですよね」
デザイン画を見ると、「宝石だけで素肌を隠すようなイメージで」デザインされたというだけあって、実際の衣装よりもセクシーな出来上がりが予想される感じ。
ネットみたいな生地の上に最低限隠す部分はラインストーンで隠す、みたいなものができそうに見えます。
実際はというと、、ベースに透けない生地が使ってあります。「隠す」箇所に赤の布を貼る必要はなかったのに、赤い布までべったりと貼ってある。その赤い生地の上にストーンが貼って?縫って?ある。惜しい!もっとセクシーにできる可能性を秘めたデザインだったのに!
何回も登場する衣装↓↓



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