可愛らしいはなし方→立派な座長としてのスピーチ、への変化を愛でているのではない、と冷静を装いながら、実は好きなのか????
人前で話すのは難しいことなので、いつも感心しているうちに、ご挨拶マニアのようになってしまった編集J。
また最近、元月組トップスター珠城りょうご卒業前の関連番組一挙放送で、足跡を振り返ることができ、ある日を境に急にしゃんとするのなー、タカラジェンヌさん、という想いを新たにしました。
それは転機を境にしての違いだったり、たまった経験や知見が実を結んでぱっと表れることだったり、いろいろ。今日は、可愛い味の強い、印象深かったご挨拶を3本お届けします。
感動編
涙多めご挨拶が出現するポイントは初主演の千秋楽。初めて新人公演以外の舞台上で挨拶をしないといけないのに、経験値は少ないは、座長としての責務をまっとうした安堵が噴き出すは、で感情が高ぶるご挨拶になりがち。
わたしの浅いヅカ勉のなかでトップレベルでいじらしいと感じたのが、真風涼帆氏による2011年「ランスロット」@バウホールでした。
界隈では、あの号泣あいさつ、とされていますが、そこまで泣いたというよりは、泣くのをこらえるときの時間が長く立て直そうにも直せない状態に陥ってしまった感じ。号泣してしまえれば楽だったであろうに。。。現在のトップスターさんぶりと当時の初々しい様子を対比させると落差が大きいのと、まさに感極まり、っていう感じで印象的でした。
「生田先生の作品で初めてバウホール公演をさせていただき、ランスロットという役に出会い、お稽古場から今日まで走り続けてきました」と言ってから、こみあげてくるものを押さえるのが困難になって、あっ、すいません、はぁーーほんとすいません、と手で扇いでみたりするも効果なし。「途中、つまづいたり、ころんだりしたときも、ここにいる出演者のみんなが」でまたストップしてしまい、「暖かく支えてくれたから、また再び走ることができて…」と続けるまでの間に長い涙こらえタイム。あはははははーーー、と笑い涙っぽくなってしまうほどでした。
内容的には、「走り続けて」「つまづいたりころんだり」と、とても練られているんです。ちゃんと考えられたご挨拶だったのも真風氏らしいですね。😉😉😉
次に心に残るご挨拶は、2013年「THE MERRY WIDOW ~オペレッタ メリー・ウィドウより~」の千秋楽にて。専科から主演なさった北翔海莉さまを泣きながら讃えた星条海斗氏によるものです。
北翔船長の率いるメリーウィドウ号の船員が千秋楽という港に着いた、という例えでご挨拶を始めたマギーさん。
「それも、ひとえに、連日この日本青年館という素晴らしい劇場に足をお運びくださり、劇場中に響き渡る笑い声と暖かい拍手と、本当に愛情いっぱいにこの劇場を包み込んでくださったお客さまのおかげで迎えられた千秋楽でございます。出演者一同、心をこめまして深く御礼申し上げます」とよどみなく完璧なご挨拶で終わるのかと思いきや、、
「私たちの大好きな北翔船長はですね……どういう人なのか……どうご説明したら皆さんに伝わるか…」ときたので、客席から、突然何を?という笑いが漏れるのですが、マギーさんは大真面目に続けます。
「昨晩本当にほとんど眠れず考えたのですが、北翔さんを思い浮かべると、必ず思い浮かべる映像がございまして…」
日頃の関係者などへの態度に言及して北翔海莉像を語りたかったのですね。劇場のお掃除や駐車場案内係りに至るまで「…一人一人に、いつもありがとうございます、本日も一日よろしくお願いします、とおっしゃっているお姿が本当に…(涙をこらえる)…目に浮かぶんでございます」
千秋楽の舞台で共演者を讃え涙するというご挨拶は珍しいというか、ピュアというか。。。
「えー、当たり前ではないかとおっしゃると思いますが、当たり前のことこそ本当に難しくって、そういう当たり前のことが自分はできてるかな、とこう胸に手をあてて聞いてみるんですけれども…… 自分は…できていない!!」
涙をこらえてのご挨拶は、さらに続きます。
「いつも北翔さんは当たり前のことをさわやかに実行されていらっしゃって、それは外でも中でも同じで、中のみんなにも一人一人下級生上級生関係なく、分け隔てなく、一人一人にいつもありがとうね、今日もお願いね、っていうふうに言葉をかけてくださる…」ここで再びぐぐっと感涙にむせぶマギーさん。
「そんな北翔船長の日頃の姿勢が舞台に反映されて、このように素晴らしく輝かれるんだなー、と改めて本当に実感した2か月間でした」
終始、公演のことでなく自分のことを話されたみっちゃんは居心地が悪そうでしたが、やっとまわってきた主演者としてのご挨拶を終えられると、客席からの呼びかけなどもあって、ご自身も感涙モードに。
「今日でさよならじゃないので」と前置きしてから、「ご縁というものは、また再び出会うようになっているので、なので、それを信じて…」と、ただの千秋楽でないような雰囲気になっていきます。また会う日までみたいな呼びかけに呼応して、うん、うん、と大きくうなずくマギーさん。こうして退団公演か!?というような舞台は終演しました。
現在は、りつこさんとして活動されているマギーさんのご挨拶で、もうひとつとても印象深かったのが、2016年「FALSTAFF ~ロミオとジュリエットの物語に飛び込んだフォルスタッフ~」@バウホール千秋楽です。
専科という立場で月組公演に主演する、という一見集大成的な状況に、逆に戸惑う感じがよく出ていました。
「今回、初主演というおはなしをいただき、悩み、苦しんで、自分には何ができるだろうと考え抜いた結果、やっぱり劇場にお越しくださった皆さまが、夢の世界にどっぷりつかっていただける、そんな空間を自分がメンバーの一員としてつくれたらいいんじゃないかな、と。もうそのシンプルなことが、私がいますぐにできることだと思い、それを胸に、ずっとお稽古から今日まで突き進んでまいりました。技術とか、本当に、まだまだ追いつきません」
「シェイクスピアのものがたり、作品もとっても難しかったです。みんな一人一人本当に悩んでいって、その悩んでる姿もなんか美しいなー、と思いながら自分も余裕がなく、本当になんでこんなにできないんだろう、とたくさん、こんな学年なのに、とか思いながら悩んだりしたんですけれども…」
「…初日から本当に暖かい拍手、そして、笑い声とすすり鼻水声、本当にありがとうございました、たくさん私たち励まされました!」
古巣の月組によるバウホール公演。なのに、月組の若手を従えて主役をはる、というよりは、ご自身の苦悩や共演者の苦悩を素直に共有しようとするスタンス。悩んだものの、夢にひたってもらうことならできる、と気持ちを切り替えた様子が伝わり、紋切型でないご挨拶のお手本のように感じました。
番外編:点滴やら注射やら
番外編は、元花組トップスターの明日海りおさまです。2017年「ハンナのお花屋さん —Hanna’s Florist—」で、フラワーアーティストの役を演じられ、そのお衣装などがイケメンお花屋さんというメルヘンそのものであったことも手伝い、いつにも増してご挨拶がほわんほわんしていました。
「わたくしの理想は、皆さまの見る点滴みたいな舞台に…」と言いかけて、一戦交える物騒なほうの『天敵』に間違えられては大変と、注射を打つジェスチャーで「こっちです」と補足。😆
心の栄養になる舞台を届けたいということを表現するのに、点滴、敵、注射と、けっこう生生しいアイテムが登場したのが、これまたフェアリーぶりとの対比でとても可愛らしかったです。😄😄😄😄😄😄😄


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