【ジェンヌ語り】霧矢大夢の先輩という意味での瀬奈じゅん

瀬奈じゅんの大階段での雄姿 ジェンヌ語り

月組現トップスターの珠城りょうさまにとっては、トップスターの霧矢大夢 (80期) は就任から卒業まで見つめ続けたトップさんです。瀬奈じゅんさまトップ時代にぐんぐん成長なさった龍真咲&明日海りおのおふたりが、きりやんの脇をがっつり固めるという…月組ファンや、元花組トップスター明日海りおファンには俺得な時代、それが霧矢大夢の率いた月組。

トップ就任が遅い部類に入るでしょうし、この体制を引き継いだのがフェアリー系の龍真咲さまということで、その対比が際立つ熟成した月組最後の20世紀感のあるお方でした。

個人的な印象ですが、なんでもできちゃう印象があります。歌よし、踊りよし、お芝居も苦労しなくてもできちゃいそうな。。なので、2期上78期の瀬奈じゅんさまが、ひろむ、っていって可愛がっているのがなんか不思議です。(同い年らしいです)

「わたしが宝塚でトップをさせて頂き、一番ラッキーかつ恵まれていた出来事は、ひろむが2番手だった事。」ってインスタにありましたよ。

アサキリ、、、ちょっとタイプが違うトップ&2番手とは異なり、この場合は、歌声や歌い方がそれほど離れていない、学年も離れていない無双コンビでした。

”It don’t mean a thing” (よく登場します)みたいなジャズスタンダードの曲。おしゃれに歌わないと、変になっちゃう。デュワッデュワッの部分は、♪ラ♪の音符が連なってるだけだし、歌詞がデュワでなくドワになっちゃうと、ダサくなる(ダバダバとかデュワーとかのスキャット系の歌全般に言えます)。瀬奈じゅんというOGは、こういう曲のjazzyでおしゃれな感じが難なく出せるお方でした。

霧矢大夢氏も何でもできるOGなので、ひけを取らずjazzyなのですが、瀬奈氏には都会感が増し増しに漂うぶん一枚上手感が...。

きりやんトップ就任お披露目「スカーレット・ピンパーネル」は96期の初舞台公演だったので、96期生全員のロケット練習のあとのインタビューで、

はー、初々しいわ、可愛いわー、って思うぶんと、これから本番に向けて衣装つけて、お化粧して、それで舞台上でこれだけのものを見せるためには、まださらに努力しないといけないんだろうな、という感覚で見てました

~スカイステージ2010年(96期)初舞台特集より

という、自分の初舞台を思い出して初心にかえりました、みたいなコメントをしていなかった点がさすが!でした。それだけできるOGさん、無敵ジェンヌなんだと思っているのです。その霧矢大夢に先輩として接する瀬奈じゅんってどんなん?という、変な視点で偉大だなー、と。

スカイステージ「ときめきの原点」という番組に「究極の男役・瀬奈じゅん」という回があり、宇月颯氏(90期)が登場して、いかに瀬奈じゅんに憧れていたか、ということを「瀬奈じゅんになりたかった」と表現しています。

それもそのはず。瀬奈じゅんトップお披露目となった2005年の「Ernest in Love」@梅田芸術劇場公演で、宇月颯さまは召使いの役をしているのですが、どんどんティーカップを渡していくっていう場面を、研2なので緊張しながら務めている様子が写っています。

つまり、自分が初めて役名がついて立った舞台において、瀬奈じゅんトップ時代がスタートしている、ちょうど一番追いつけない落差がある感じだったと思うのです。

就任して時間がたっているトップさんのもとへ配属されたなら単なる雲の上の人だろうし、自分もある程度研鑽を積んでから見上げるトップさんは、努力して目指そうと思える人であるはず。どうしたらあんなにかっこよくなれるだろう???って思っていたので、いっそ、せなじゅん本人になってしまいたい!って思ったのでしょう。

霧矢大夢を語るときに、瀬奈じゅんを語ると納まりが良い、というはなしでした。おふたりとも「エリザベート」でルキーニ演じたことあるでしょ。

瀬奈じゅん氏が花組時代にルキーニを演じて、2005年月組ではエリザベート役(きりやんルキーニ)を演じ、2009年に再びエリザベートがめぐってきたとき、瀬奈じゅんはトート役(きりやんフランツ)だった。霧矢大夢は「ミーアンドマイガール」でジョン卿もビルも演じてしまった。

それにしても、2番手と3番手が充実していて、なおかつ、3人の個性がそれぞれ豊かな時代、トップスターが舞台からいなくなっても、2・3番手でしっかりもたせます、みたいな時代の豪華さにはすごいものがあります!

それが映像に残っていて、あとから見ている新参者はすごく衝撃を受けます。台風の目のなかにいたら、わからないかも知れないので。

2006年あたりの月組、瀬奈じゅんさまトップ、霧矢大夢さま2番手、で、そこに大空祐飛さままでいた時代、北翔海莉さまが宙組に組み替えになる直前に上演された作品ー例えば「レ・ビジュー・ブリアン」はキャッチ―だし、ツワモノばかりが出演しているツワモノどもショー!なのです。

元組長視点

婦人公論.jpに掲載中、タカラヅカ「元組長の部屋」の第16回にて語られる瀬奈じゅん像を加えておきます。

越乃リュウ氏による、あれやこれやは、どれも興味深いのですが、瀬奈じゅんトップスター時代を月組組長として支えてきた立場からの考察は格別です。端的にモテる人、という形容詞で表されています。男役も娘役も惚れてまう人っていう意味でしょうねー。

あさこさんは、スーツの着こなしから立姿、ダンス、演技、すべてにおいて、ひたすらかっこよく、色気もあり、とにかくモテる男役さんでした。バレンタインのチョコレートの多さは、当時私が見てきた中でも群を抜いて、ずば抜けた数をもらっていました。

カッコいい男役さんはたくさん見てきましたが、こんなにモテる人は初めて見ました。ファンの方からはもちろんのこと、舞台袖から見つめる娘役の多さたるや。娘役からのモテ具合は、それはそれはすごいものでした…

…一瞬で人の心を鷲づかみにするあのとびきりの笑顔に、そりゃあモテるよと心の中で呟きながら、そんなあさこさんに背中を押され、私は少しずつ組長になっていきました。

婦人公論.jpタカラヅカ「元組長の部屋」より

組長さんとトップスターさんの関係性というのも様々。当時の月組は、自分には組長なんて務まらないと思った越乃氏を、花組からやってきた瀬奈氏が支えつつ盛り立てていった、そんな時期だったようです。

💎💎💎💎💎💎💎

あさかな、きりまり尊い↓↓

拝みたくなる

コメント

タイトルとURLをコピーしました