クラシックな装いに想いを馳せる秋

宝塚の衣装バッスルスタイル ヅカ道

東京宝塚劇場で今月最後の日曜に大千秋楽を迎える宙組公演「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-/Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-」。日本シャーロック・ホームズ・クラブ(Japan Sherlock Holmes Club)月例会公式Twitterアカウントというのがあって、この作品大絶賛のつぶやきが登場しています。製作に全く関わりのない編集Jも誇らしいです。😆

タカラヅカファンの方たちのなかには、英国ミステリー愛好家もいらっしゃるのかどうか?(この2つの世界が遠いのか近いのか)よくわかりませんが、、このアカウントのつぶやきに萌えるコメントを見つけました!

ショーに、お芝居とは違う出演者の方々が登場するものだと思っていた、というつぶやきです。

くすっとしつつ、よく考えたらごもっとな意見ですよ。30分でメイクやら全部変えて、守備範囲も全然違うレビューをやってのけることに慣れている場合ではない、本当に。どんな悪役でも性別が違っていても、ショーに時間になれば芸名の男役・娘役に戻って満開のバラのような笑顔で歌い踊るタカラジェンヌ…

「こんなにもレベルの高いエンターテインメントが存在していることに衝撃を受けました」ともありました。

見聞きした断片をつなぎ合わせた宝塚像を持っている場合が多いので、メニューの写真より実際のほうが豪華な料理を目の前ににしたような気持ちになるのでは?いい意味で思ってたのと違う!みたいな。観劇をすこし休眠して復帰された方々にも新しい発見があると思われ、初見だと衝撃レベルかもしれません。

この作品には、わたしの好きな衣装が登場しています!登場回数が多いほうの衣装なので、よく目にするのですが、色の配分、形、細部のやりすぎない感じが大好きなのです。それは、メアリー・モースタン(天彩峰里)の衣装。

豪華さは一切なく、普段着的な位置付けだと思うのですが、グレンチェックの生地にモカ色みたいなツイードっぽい無地生地のアクセント、えんじのトリミング、首元に茶色のリボン、と秋っぽい色味の控え目なバッスルスタイルドレスです。2014年タカラヅカスペシャルで、蒼羽りく氏が「風と友に去りぬ」のパロディーで着ていらっしゃったときに、映像を何度も巻き戻して刮目してしまったドレス。

1860年~1880年代あたりが時代設定作品の定番街着として登場することが多いこの衣装。

シャーロックホームズ新人公演のご挨拶で出演者が全員並ぶ映像を見てわかったのですが、アイリーン・アドラーとヴィクトリア女王以外の女性の普段着扮装は、ほとんどこれと同じような衣装ばかり。すべてグレー系の同じ生地の組み合わせなので、このグレー+えんじドレスだけがアクセントカラー使用で目に飛び込んできます!

バッスルドレスは、スカートのお尻の部分をふくらませたシルエットが特徴。その部分を強調するために他をタイトにスリムにしているので、ゴージャスなんだけど、全体がぼてっとしていないところが素敵。

現代に応用できそうな要素がたくさんあって惹かれます。最近大きな襟とか、スタンドカラーにフリルがついているディテールがカムバックしていませんか?ボウタイやリボン使いも普通にありだし。

↑こんな感じのブラウスと似ている

もう一着、これもグレーっぽい色味のドレスでお気に入りの一着があります。

2019年月組公演「Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)」でシチェルバツキー侯爵夫人(清華蘭)着用シーンを見たときにバランスがいいなーと思いました。

シチェルバツキー侯爵夫人 (清華蘭)

シルバーっぽいうすいグレーに白のストライプ状織地と白黒の刺繍生地が使ってあり、ボリュームたっぷりのフレア袖をこの2種の生地で重ねるなど、配分がとても素敵だし、デザインに無理がない。

後ろスカートの腰にリボンがついていており、ストライプのほうの生地が垂らしてあって少しひきずるようになっています。

2020年月組公演「赤と黒」でのヴァランタン夫人(香咲蘭)着用時は、胸にカメオのブローチがついていて素敵~~と思ったのですが、大きい輪っか(パニエみたいなもの)を入れていたので、ちょっとシルエットが崩れていました。

年齢高めの奥様が着るドレス、みたいな扱いなのですが、夏のワンピースとして再現して今すぐ着ることができそうなデザインです。

あと1着挙げるとしたら、と考えて、、これも「アンナ・カレーニナ」に登場したドリィ(楓ゆき)着用のドレスで、薄いグレーのダマスク織地に白レースと黒いラインのアクセント使いのバッスルスタイルドレスがありました。同じ演目の2008年星組版でもドリィの普段着だったので、歴代ドリィ定番ドレスなのでしょう。

最近見かけたのは、2018年月組公演「エリザベート」で家庭教師が着ていたとき。エリザベートという演目は、ローテーションされたり、新規製作される衣装が各種あるなか、毎回、特定の役に固定で使用されるドレスもあります。家庭教師役のドレスは固定ではない模様。

ということで、歴代の家庭教師ではなく、2018年月組エリザの家庭教師(桜奈あい)のドレスに注目!

家庭教師(桜奈あい)

前に垂れるエプロンみたいな部分が3段で豪華なのに、清楚。首元にカメオのブローチ。(編集Jは、ボウとカメオのブローチに定期的に敏感に反応する)

やはり、マクシミリアン・ヨーゼフ・イン・バイエルン公(1808~1880)の家庭教師だけあって、格式高い装いをなさっていますな。 😍😍😍

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