ラインダンス(ロケット)の振り付けって、自由度は少ないのに、また同じか思われる危険性があるという、宝塚の舞台のナンバー全般に言えることですが、一番難しい類いの制作ブツじゃ?押さえるところを押さえつつ目新しいことも取り入れ、演目全体と曲調にぴったりなものを考えなくてはならない。
わたしはロケットダンサーが羽根をしょっているのが好きです。動くとふわふわゆらゆらするので。羽根をぶんぶん振って待機、ライン上で順番に動かしてウェーブつくる、最後のポーズを決めるときに頭を切って一瞬ふわんと揺れる羽を見せる、など、いろいろな味付けの素、になってくれる羽根。それが30人くらいの集団につけられている、圧巻でしょ。ダブルターンで回ったときに、背負い羽根が少し遅れて追従するので、風とか重力が目に見える感じもします。
ロケットに関しては、ぼんやりしたイメージしかない方も多く、初見の方々は、これか!みたいな反応になるのが面白いです。
一列に並んで脚を上げるだけなら、ちょっとした繋ぎ、とも見えますが、グループに分れて、一旦はけて、また合流してなどなど、複雑なフォーメーションが含まれていて見ごたえがあります。といっても、ぱっと見では細かい部分まではよくわからず、気付いたら最後のポーズで拍手して終わってた、状態ですね。2分くらいなんでね。
(初舞台生が同期全員約40人でお披露目として踊るときは、ロングバージョンになり、全体で4分~5分くらいになっているようです。)
映像で確認すると、時にはシンプルに、時には難しいワザ満載で、導入部分から終わりのポーズまで、さまざまな工夫が凝らされているのがロケットダンスだとわかります。
多いもので30回くらい脚上げがあり、観客は見てるだけですけど、最後のほうに息が苦しくないかなーとか無意識のうちに思っている自分がそこにいる。。。
脚の蹴り上げ自体はある程度のスピードが必要なので、脚上げが続く部分では曲が早くなります。その関係で、途中、腕をゆーーっくり動かす、や、ためてからのふーんわりターン、などが緩急の「緩」の部分を担当、脚上げとの対比でとても映えます!
音楽の緩急もあれば、たいていは音の質のメリハリもつけてあります。
それは、どんどこどんどこどんどこどん、みたいな太鼓の音。それから、めくるめくオーケストレーションで、ちゃららっちゃちゃちゃちゃーーー、みたいな音。こういうアクセントの部分には、たいていジャンプとかターンとか入っています。
ちゃーん、みたいな音にあてて決めポーズの振りがついている確率が一番多いのがロケットダンスだと思います。音ハメが上手くいっている場合がほとんどなので、見るたび、心がぱきっ!とするのです。
わたしのなかの3大キラキラロケットは、カルーセル輪舞(ロンド)、宝塚幻想曲(タカラヅカファンタジア)、パッショネイト宝塚!の3つ。すべて、背負い羽根、キャップみたいな被り物の頭上に羽根がついているパターンです。
カルーセル輪舞と宝塚ファンタジアは、羽根や衣装がピンク系で、白手袋着用。パッショネイトは赤の衣装に紅白の羽根です。
羽根を背負っている衣装の場合、両脇から曲に合わせてセンターに集まると羽が固まりになって壮観!!集まってきたときに、わーーー集まってきたーと、テンションが上がります。また、5人選抜ダンサーが出てきて前面で踊る振りも多いのですが、そのときに後列の人たちがけっこうおもしろい動きをしているんです。前の人たちばかりに目がいってほとんど気付かないのですが。😄
「カルーセル輪舞曲ロンド」は見せ場が多いショーなので、ロケット自体はあまり目立たないかもしれません。でも、明転したときに舞台上に羽根軍団が浮かび上がる導入部分からワクワクします。前面で5人踊っている部分では、後列の人たちにも注目です!両腕で顔を隠すみたいなポーズをしている部分があるんです。まさに押さえるところは押さえつつ、いろいろな工夫が凝らしてあるロケットとはこのこと!
ボリウッド映画が話題になるちょっと前から、ロボットものとかに走るまで、ボリウッド映画のトレンディードラマっぽい作品をよく見ていました。その時に新しいなー、日本映画もこれを取り入れたらいいのに、と思っていた技法があります。それは、とにかく大勢散りばめておいて、どこから撮影しても成り立つようにする、ということです。はるか後方に人がいてただ見ている、すこし後方で手拍子している人がいる、建物の中にもリズムをとっている人がいる、いわゆるバックダンサーがいる、カメラの前を横切る人がいる。。。
宝塚のロケットダンスにはさすがに前を横切る人はいないのですが、似た空気を感じます。💓💓💓
お笑いの兵動大樹さんの初見↓↓



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