2022年は、1月3日にNHKのBSプレミアムで放送の花組誕生100周年記念のショー「The Fascination」でのスタート。(2月11日には「桜嵐記/Dream Chaser」が放送されるとのことで、タオルをご用意あれ)劇場で迎えることはかなわなかった。😑
人の笑顔を花のよう、と例えますが、花のような組が花組なんだな、ってのが 「The Fascination」 の感想、、そのまんまやないか!月組は良い意味での『影』が味なのですが、花組はやはり陽光のもとでパーッと咲く花なんだわ、と思いました。
放送されたショーがそういう作品だったから、とも言えるのですが。なんせ、トップさんの下、精悍になってきた星風まどか嬢(100)、水美舞斗氏(95)、永久輝せあ氏(97)、聖乃あすか氏(100)が盤石の華やかさと輝きなのですよ。
2月に卒業される優波慧氏(96)、飛龍つかさ氏(98)、帆純まひろ氏(99)あたりの中堅もスマートで粒揃いだしね。みんな大好き音くり寿嬢(100)に加え、美羽愛(104)&星空美咲(105)などなど、若手花娘も華やか。(聖乃あすか&美羽愛&星空美咲のお3人については後ほど…)
「The Fascination」では、これらの花男、花娘さんらが時には一人で、時には団体で、現れ、駆け抜け、せり上がって踊りまくるを繰り返すショー。柚香光氏は言うまでもなくスキなし。星風まどか嬢も髪型やスタイリングにスキなし!状態で踊る踊る。体力的に、夏にはできなさそうなショーです。
この新春スペシャルの司会は、念願の宝塚関連番組の司会を担当して、自ら、浮かれているとか、沼にはまりたて、とか赤裸々に語った山ちゃん(山里亮太さん)でした。
そつない司会ぶりには、2021年にご自分が受けた衝撃の記憶も新鮮ななか、惹かれた愛月ひかる氏のご卒業という経験を経て、宝塚観劇を「人生の楽しみ」と捉えるところまで昇華させたかのような感じがしました。言わば、新鮮な驚きや喜びも、履修が進んだ安定感も両方心の中に大切に持ってる感じ。😉😉😉
番組の締めに「楽しみの選択が増えた喜び」を語り、まだ知らない人を「うらやましい」とまで。さらっと締めた言葉だったんですが、意外と含蓄がありました。ある日なんらかのきっかけで宝塚に出会い好きになるであろうファン予備軍が一定数いて、きっと衝撃を受けるだろう、と想像して楽しんでいるかのような感じ。
聖乃あすか&星空美咲
水美舞斗氏(95)、永久輝せあ氏(97)、聖乃あすか氏(100)の並びで思うのは、どの組も2番手と3番手のジェンヌさんが違う傾向があって、水美氏と永久輝氏も、良さが互いに引き立つ並びだな~~ということ。加えて、これまた色が違っていて、現在大躍進中の聖乃あすか氏が下支えする形になっている。。
2021年初の「PRINCE OF ROSES -王冠に導かれし男- 」でバウ初主演を果たしたときに顕著だった成長ぶりが、1年たってさらに際立っていました!
もともと線が細くないところに、喉が鍛えられてとっても骨太な男役さんになられました。同期には、月の風間柚乃氏と星の極美慎氏。このお三方は男役10年目を目前にして充実期真っ只中なのでしょう。
「PRINCE OF ROSES -王冠に導かれし男- 」は、共演者として、美羽愛嬢(104)星空美咲嬢(105)のお二人が名を連ねていて、スカイステージの映像で拝見してその花娘ぶりにびっくりしました。見目とお声が麗しいし、愛らしい。
星空嬢は105期で初ヒロインとなったジェンヌさんで、ちゃぴこと愛希れいか似であるために、月組ファンにとっては、なんだか混乱する存在です。
男役から転身した方々以外では、ギリギリ高身長の164センチであることとか、しなやかそうな肢体(?)がそっくり。他の共通点としては、研3での抜擢を差し引いて見ても、、ストレートな感情の出し方が野性味を感じさせる点。可憐に留まらない娘役さんになる予感がします。
雪組の音彩唯嬢、宙組の山吹ひばり嬢、星組の詩ちずる嬢と、105期は娘役ホープが多い期ですね~。
聖乃あすか氏に関しては、これまたびっくりなのです。これまでの新人公演主演が全て明日海りおさまの役だったため、良さが出せなかったと言っても過言ではないため、突然の成長!と思わせるだけで、実際は持ってるジェンヌだった模様。
2018年「ポーの一族」と「MESSIAH」は明日海りお氏の個性を活かした作品。「A Fairy Tale」は退団公演です。どんなトップさんの役でもその役の色は濃いため、ある程度踏襲してもいいし、組によっては自分なりの解釈を全面に出して演じるなどなど、様々なやり方があると思うのですが、役が全部普通の人物じゃないというのは難しかったと思います。
「ポーの一族」のエドガーは途中から人間でない役、 「MESSIAH」 は実在の人物を拡げた架空の人物、「A Fairy Tale」は最初から人間でない役。自分なりの解釈をしようにも、到達点が独特で、違うアングルみたいなものは少ないし、生い立ちから構築するとかもほとんど不可能。
トップさんの退団に近い時期に、その役を新人公演でもらうのが一番難しいと思うんですよね。
最初にすごいなと思ったのが、2019年「霧深きエルベのほとり」においてカール・シュナイダー役を新人公演で演じた極美慎氏です。カール像に自分なりのアプローチをしても、紅ゆずる氏の解釈が邪魔をするというか、口は悪いが気は優しいドイツ人船乗り、みたいな役の解釈には、それほどバリエーションはなくて、紅氏が200%で臨んじゃってるので別の解釈の余裕がない。
あの役を紅さんのコピーにならずにどうやって演じるのだろう?と思っていたところ、極美氏の場合は、べらんめえ口調みたいなセリフ回しを失速させずに演じ切っていて、一見合わなそうな役でも乗り切るとはこういうことか、と思いました。
紅さんによる渾身のカール像に到達しきれず、これは極美なりのカールですよ、で逃げることがなかったと言えばいいのか、、星組さん魂っていうやつですかね。
明日海りおと「ポーの一族」、美弥るりかと「1789」、紅ゆずると「霧深きエルベのほとり」には、それぞれ、聖乃あすか、朝美絢、極美慎という下級生が、同じようには演じることができないから自分なりの解釈を入れこもうとしても、役の性質上それができない本役キャストと作品の組み合わせでした。どんな新人公演の役もそうなのですが、キャストが発表されるときに、絶対ムリ!って勝手に思っちゃう役っていうのはあるもので。。。その典型が3作品のエドガー、アルトワ、カールだった。
そんな「新人公演は勉強の場とは言え本役さんの個性が強くて難しすぎでしょう」的な役を3回も演じた聖乃あすか氏が、遂に自分らしい男役像を確立したと思える年が2021年でした。 「PRINCE OF ROSES -王冠に導かれし男- 」 の映像を大刮目して見ていたところへ、新年の「The Fascination」放送です!!星空美咲嬢とともに、力強く美しく愛嬌もあるわ~、と目が離せない状態の2022年初となりました。


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