月組の宝であった輝月ゆうま、まゆぽんの歩みを振り返る

ジェンヌ語り

まゆぽんこと輝月ゆうま氏の歴史は、2012年「ロミオとジュリエット」で始まったと言っても過言ではないでしょう。

この大作海外ミュージカルで演じたヴェローナ大公の重厚さは、星組での初演時やその後の再演を合わせ比較しても、最大限に重厚。(「大公だ!」「大公閣下だ!」と叫ばれて登場するのですが、月組のそれは、「たーいこうだー!」「たーいこうかっかだーー!」に聞こえる。ふん、大公がお見えになったぜ、面倒なことになったんじゃないの、みたいなすかした感じが月組ならではで、登場する大公もただならぬ雰囲気を醸している。刑を科すみたいなセリフも怒って言っていないんだよねー。歌唱にも情緒が感じられるしねー。)

当時のまゆぽんは研4。モンタギューとキャピュレット両家の当主たちは必然的に上級生で固められます。そんな「そうそうたる上級生を諫める」役を研4でもらったまゆぽん。スカステの「専科のお時間#15輝月ゆうま・凛城きら」で語られたところによると、「本当に足が震えてました。見えないって言われてたんですけど…メチャメチャ緊張してました、毎日。」

放送では、すぐに次の作品語りに移ってしまいましたが、もっとロミジュリ大公ばなしを聞きたかった。きっといろいろエピソードがあったはず。

その直後に、2012年バウホール・日本青年館公演「春の雪」に出演されます。ヴェローナ大公の役は、言わばファンタジーなのでまだ乗り切れそうですが、「春の雪」では明日海りお氏演じる主人公の父、松枝侯爵役なので、実像がはっきりしていて難しそう。

「専科のお時間#15」では、このときに演出の生田大和(ひろかず)先生から、「いい加減自信を持ってください」と言われたとのご発言。

ロミジュリでは、モンタギュー夫人役だった花瀬みずかさまと、夫婦役。14期差ある夫婦。お父さん芝居が必要とされる上に、主演をビリヤードのキューで折檻する?場面あり。明日海りお氏が殴られる芝居が上手いジェンヌさんだったこともあり、それはそれはインパクトのある場面になりました。生田先生が、半ば呆れ気味に(いい加減って付いてるからね)自信を持っていいんだよ、と伝えた様子が目に浮かびます。

お父さんですか?

そして、個人的に思い入れのある、2015年バウホール・日本青年館公演「Bandito -義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-」でのサルヴァトーレ・ロンバルド役。主演の珠城りょう氏と同い年のいとこの役なのに、役名を見て、お父さんですか?みたいな反応をしてしまった、ようです。周囲も一瞬そう思った感ある。「なんか、自分も、父かな?みたいな心構えが出たんですけど…」とNOW ON STAGEでご発言。

そこから、自然体をつくるのに苦労した、と続けてらっしゃるので、年齢や立場が上の役が多くて、そうでない役の芝居に慣れなかった様子がわかります。

この公演の前にも、あとにも、父親を演じることが多かった彼女にとって、サルヴァトーレ・ロンバルド役は貴重な役だったと思います。実際、健気な青年に着地していて素晴らしいです。

同年、「1789-バスティーユの恋人たち-」の新人公演で、ラザール・ド・ペイロール伯爵を演じますが、この役は、約10年後の星組による再演時には、本役として演じることになる役でした。ご本人いわく、「すごいエモくて…」となるのも当然です。

観劇しているほうからしても、再演時の主演は同期である95期の礼真琴氏。エモいどころじゃありませんでした。

2016年ドラマシティ・文京シビックホール公演「アーサー王伝説」でのメリアグランス役は、少し異色な役でした。歌を通しての語り部的な立ち位置だなーと思うからです。もし、まゆぽんポートフォリオをつくって売り込むならば(どこに?)、メリアグランス動画を含めておいて歌唱力を見せつけたいところ。

次に、特筆すべきは、2018年赤坂ACTシアターにて「雨に唄えば」のリナ・ラモント役。「専科のお時間#15」内で、月組生に聞いた印象に残る輝月ゆうまお芝居の役トップ2に選ばれた役です。(一位は、2022年「グレート・ギャツビー」で、強烈なイケオジ印象を残した、マイヤー・ウルフシェイム役)

この「雨に唄えば」は、この段階でトップの珠城りょう氏と2番手の美弥るりか氏のコンビぶりが最高潮だった作品だと思っており、そこに相手役としてまゆぽんが、絡んでいくという、月組ファンには自然で、ご褒美感のある作品でした。

その後も月組で活躍したあと、2021年に専科に異動。複数組の作品に出演するという、劇団全体にとってありがたい情況に。

こうして振り返ってみると、下級生時代良し、成長途上良し、熟練後さらに良し、って感じです。

最終回となった「専科のお時間#15」で紹介された、現月組トップスター、鳳月杏氏からのまゆぽんへの言葉にそれが表れています。「下級生の時から、本当に月組の”宝”でした。」💖

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