たまさくストーリーと珠城りょう塩加減関連で書きたいことは書き終えたものの、一番最初におふたりのウィーン旅を見たとき、なぜ全く疑問を抱かずに照れ屋のダンナ味を感じたのか?を考えてみました。
世間がちょっとざわついていたとき、編集Jは至極のんきに、へー、ウィーンまで行ったんだー、れいこさんが行けなくて残念だったねー。たまさま照れてる?たまさくって面白いコンビねー、とだけ思っていたのです。
珠城りょう氏が「世界の旦那」と言われだした時期としては、最初の相方愛希れいか嬢が、学年差がほとんどない珠さまに対してはリラックスして娘役を楽しんでいる様子が顕著になってからでした。先輩龍真咲氏の前では緊張ぎみだったので。その愛希れいか嬢も先に卒業されたことから、あまりダンナさんを独り占めしている感を出さないように気を遣っていた雰囲気もありました。だから「世界の」旦那になり得たのかもしれません。
もう一つの要素は、世間の旦那像です。
まだまだ社会的に男性が外に出て7人の敵と対峙し女房を守るみたいな要素が完全には廃れていない昨今。
旦那=硬派なのです。それを体現したのが男役珠城りょうだったのです。そういう硬派の御仁が女子の買い物に付き合うなど『軟』を扱うと変な方向に飛んでいってしまう。
硬に軟を混ぜると…
珠城りょう主演作品のなかで、何気なく円盤視聴していて、気になるセリフがあるときに単に素敵だ、と思うのでなくて、えー!そんなこと言っちゃうんだ、みたいな驚きの感情を掻き立てるものがあって、それは決まってえらく硬い役や硬い役創りの土台の上に散りばめられた軟派発言なのです。硬さとの対比でその軟らかさが強調されて、変なところに着地する。
例を挙げます。
2017年「All for One ~ダルタニアンと太陽王~ 」のフィナーレのスタートは、2番手がせり上がって主人公の歌を歌うフィナーレ。
アラミスを演じた美弥るりか氏による「♪この地上の何処かに」を受けて、珠城りょうさまが歌うのは、アラミスの歌である「♪酒・歌・女、我らに有り!」
この2番手とトップ間の歌交換は演出家小池修一郎先生が好んで使う構成。ときどき歌詞に大幅な違和感がある場合にくすっとすることはあっても、慣れてしまえば逆に萌えポイントなのです。2番手がトップスターの演じた役の歌を歌うわけですが、歌詞に具体的な行動などが含まれていると、おまえは劇中そんなことしていない!と突っ込まれることに。それも楽し。
珠さまが、「♪酒・歌・女、我らに有り!」の歌に突入し、とても不似合いな「♪俺は恋の狩人だっ!」の部分を歌うところで、「おれはこい💖の、かりゅうううどだー💖」ってなり、何その可愛らしい歌い方!みたいな反応したヅカ友がいました。そのときはなんとも思わなかったのですが、今になって色気のある『恋の狩人』というワードに圧倒的なイノセンスが混ざって変なところに着地して可愛くなってしまったことに違和感があったのかと。
編集Jのなかで伝説となっている2016年「アーサー王伝説」にしても、最近触れた方々もいらっしゃるわけで、あの王っぷりと、「許します💖」っていうセリフのギャップにどう反応されるのかなーと思うことがあるんです。
グィネヴィア(愛希れいか)が負傷したアーサー(珠城りょう)を看病していてふいに口づけたことを逆手に取るシーン。一番最初に拝見して、許します?なんだあ?なぜ「まあ良い、許そう」じゃなくて「許します💖」なのか?しかも急激に中学生の恋みたいなキュートな感じのシーンになっちゃうのか?と思いました。不自然とかじゃなくて、場面は十分成り立っているのですが、ギャップ萌えとも違うすごさよ。。。
セリフ関係でいうともうひとつ、すごいのがあります。
2015年「Bandito(バンディート)-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ- 」でアマーリア(早乙女わかば)の身の上話しを珠城りょう演じるジュリアーノが聞く場面。誘拐してあげることで状況を打破できるかもしれないという淡い希望が話される場面です。
言葉少な目に反応していた彼が、どんなに違う人生を想像しても今の自分に囚われてしまうと言うアマーリアに対し、短くぽそっと「仕方ないさ」と返す。その後、「あなたからその言葉は聞きたくなかったわ」と驚くアマーリア。
ジュリアーノは本人が望まなくしてなったヒーローであったことに気付き、「ごめんなさい!勝手なものよね。勝手に期待して、勝手に裏切られて」と謝ります。
この言葉を受けてジュリアーノが発する言葉が、
「いいんだ、もう慣れた よ💖」
硬・硬・硬・硬のあとにくる軟にキュン死。
もちろん、セリフは台本に書かれているものですが、硬めの役柄もしくは硬めに創った役から発せられる『軟』が素敵なんだけど、素敵すぎて突拍子もない方向に着地。(それほど重要なセリフでない気がするので、ここで過剰反応させられてストーリーが頭に入ってこない!)
硬派なので、優しさの分量がわからなくて加減なしにぽろっと出た言葉がぎこちない感じ、と言えばいいんでしょうか。。。
旦那っぽい=硬派であるところの珠さまに惹かれた人々にとっては、ウィーン旅なんか全然塩じゃない。むしろところどころ甘いくらいだけど、いつものように突拍子もない方向にいってしまった、ということなのよ。


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