マリリン・モンローがピンクのドレスを着て燕尾服の男性たちと踊る場面。「紳士は金髪がお好き」と題された1953年映画の終盤に登場するナンバーです。この伝説の女優の代表作かというぐらい有名な場面だし、1980年代にマドンナがオマージュ的に「Material Girl」のプロモーションビデオで使用するなど、幾度となく参照され使われてきました。ダイヤモンドが好きすぎてたまらない女子のはなし、だと思われてたらどうしよう???
この曲、この映画の本当の意味の意味はあまり理解されていないのでは。ダイヤモンドが一番というおはなしでなく、ダイヤモンドは一番じゃない、というおはなしなんです!

紳士は金髪がお好き、という邦題ですが、なぜこんなタイトルになったか、というと、この映画の主演女優、ブルネット代表ジェーン・ラッセルと金髪代表マリリン・モンローが、演じている女性たちに関係します。
お金よりもルックス重視でダメンズに惹かれるくちなのでお金があると逆に萎える、と、お金を持っている男性を求めていて男性を手のひらで転がしている、という、現実主義なんだけど、こじれて二股に分れたかのような価値観を持っている女性2人、が主役なのです。
映画のタイトルが示唆するのは、男性は、ブロンドのほう(つまり賢くないふうみの人)が好み、という意味。男性は女性を見た目で判断する。さらに、女性も同じことをするけれど、そうするととたんに悪者扱いされる、という意味を持たせてストーリーが進みます。1953年の映画なので、一般的な男性の価値観のほうは確立されている状態。そこにやんわりと疑問を投げかける映画です。
最終的には、この映画のなかで、マリリン演じるローレライは、お金持ちのぼんぼんガスの父親から息子のお金が目当てだろう、と言われて、こう言い放ちます。
「息子さんのお金目当てじゃないです。あなたのお金です。女性がきれいなほうがいいのと同じですよね。誰かと結婚するとき、きれいだから、だけで結婚しないとしても、きれいなら結婚しようと思う気持も高まりますよね。娘さんがいたら苦労させたくないから良い条件の相手を望むと思いますよ。わたしがそれを求めたらいけないんですか?」(あなたのお金、というセリフ、ぼんぼんだから出元は父親のお金でしょ、っていう意味で言っているニュアンスもある?)
そこまで言われて、この女性はただの拝金主義で頭が空っぽの女性とは違うなと思わされた父親は、え?おバカさんじゃなかったの?のような反応になります。そこで、
「頭が良くないといけない場面では頭がいいんです。世の男性はオンナがバカなほうが安心するけど。」←これ決定打。
ぼんぼんのガスは、ローレライにぞっこんだし飄々としてるんですけど、自分より頭が良い女性は困ると思っているような資質はなさそうだし、そんな立場でもない。
ローレライがガスは自分のかしこいところが好きなんだ、と締めくくるので一瞬?ってなるのですが、確かに、このシーンまで彼女の立ち回りは賢さが出てるし、仮にガスが見た目だけで恋してるとしても、一回りしてローレライの中身ってばすごいキレる女で、将来この一家のお金を散財するだけでない未来まで見えてきそうな。。。🥳
マドンナがこの「ダイヤモンドは女の子の親友」をオマージュしてつくった「Material Girl」の曲とビデオにも同じパターンが見てとれます。
歌詞が現代の比喩にそっくり置き換えられ、ミュージックビデオの冒頭に、高いものあげれば女子は喜ぶと思ってるのよ、というセリフが入っています。唯物主義の時代に生きる唯物主義の女子、みたいな曲かと思わせておいて、実は、唯物主義に生きる女子だけども物につられると思ってたら痛い目にあうで!(そこまでは言ってないかー😅)みたいな、そういうメッセージを込めているのかと思わせるミュージックビデオになっています。
マドンナは「Like A Virgin」でもタイトルと曲の真意が全く違う、という手法を取っているようで、2重の意味を持たせるのが好きみたい。
今回マドンナ動画見たり、このピンクの衣装をオマージュとして真似ている例をたくさん見たんですけど、50年代の衣装に比べて生地もつくりも、どれもお粗末なのが気になりました。
ベアトップの上の折り返し見たいな部分、それがでっかいリボンみたいな帯みたいな部分と呼応してるんだからーーー省略しないでよーーー、とかひとりでブツブツブツ😑😑😑😑😑
2022年2月28日追記:
テアトル・クラシックス ACT.1 「愛しのミュージカル映画たち」という企画の一環で、全国のミニシアターでミュージカル映画が上映されています。シネスイッチ銀座では、今日から「紳士は金髪はお好き」を上映!続く3月3日・4日はフレッド・アステアのタップが華麗な「イースター・パレード」です。2日間だけです。
・2/25(金)~2/27(日)『巴里のアメリカ人』(113分) ・2/28(月)~3/2(水) 『紳士は金髪がお好き』(91分) ・3/3(木)~3/4(金) 『イースター・パレード』(103分) ・3/5(土)~3/6(日) 『若草の頃』(113分) ・3/7(月)~3/8(火) 『ビクター/ビクトリア』(133分) ・3/9(水)~3/10(木) 『上流社会』(111分)


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